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某番組で張本氏がダメ出しする喝にはどんな意味があるの --- 尾藤 克之

9/15(金) 16:58配信

アゴラ

日本は憲法によって信仰の自由が認められている。文化庁の調査では、信仰の約半数が仏教という結果が明らかになっている。しかし私たちは驚くほどその実態について知らない。例えば、僧侶でまず思い浮かべる剃髪。なぜ坊主頭なのか。念仏はなぜ唱えるのか。袈裟を掛けていれば僧侶だが、なぜ袈裟を掛けるのか。

すべての作法や決まりごとは宗派によって違いがある。こんなところにも、成り立ちや考え方の違いが垣間見られるものだ。今回は、『浄土真宗ではなぜ「清めの塩」を出さないのか』(青春出版社)(http://amzn.to/2wdTS0a)を紹介したい。浄土真宗本願寺派僧侶、保護司、日本空手道「昇空館」館長も務める、向谷匡史(以下、向谷氏)の見解である。

張本氏の「喝」は臨済宗が由来

野球解説者の張本勲氏が、某テレビ番組で1週間のスポーツ界の出来事に対して、「喝」といってダメ出しをするコーナーが人気だ。かなり強引な一喝には賛否両論あるが、スッキリ爽快な気分になる視聴者も多いだろう。

「実は、この『喝』は中国の禅宗に由来し、『臨済の喝』は最も有名です。中国禅宗は6世紀前半に菩提達磨を初祖として始まります。7世紀に『北宗禅』『南宗禅』に分かれ、その後、南宗禅が主流となります。中国禅は時代を経てさらに分派し、日本臨済宗の開祖栄西が中国へ渡った頃には各派に分かれていました。」(向谷氏)

「臨済宗はその一つで『黄龍派』『楊岐派』があり、栄西以降、日本にもたらされた臨済宗は『黄龍派』が衰退したため、『楊岐派』が主流となります。栄西が京都に開いた臨済宗建仁寺派も、鎌倉時代中期、中国禅僧で楊岐派の法系を受け継ぐ蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が住職となっています。」(同)

ところで、読者の皆さまは、栄西の正しい読み方をご存知だろうか。

「一般的には『えいさい』と呼ばれていますが、臨済宗では『ようさい』と呼びます。栄西が中国へ渡った当時の宋時代の発音が『ようさい』だったからだとされています。また、その後、中国で『明庵』という道号を授かっています。臨済宗では『明庵栄西』(みょうなんようさい)と呼ぶのが正式です。」(向谷氏)

「中国臨済宗は臨済義玄を宗祖としています。彼の峻烈な一喝を浴びた者は百もの雷に打たれたごとく茫然自失したと伝えられています。これが『喝の臨済』のゆえんいなります。次にエピソードを紹介しましょう。」(同)

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最終更新:9/15(金) 16:58
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