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ジェームズ・ボンド流、組織の理不尽なルールを破壊せよ --- 尾藤 克之

9/19(火) 16:43配信

アゴラ

最近、予想以上に、毎日忙しくなってきた。今はほぼ毎日タクシー帰り。シャワーを浴びて、死んだように眠ったら、夜明けと共に起床し、すぐさま出社。こんな生活を半年近くほぼ休みなく続けていた。体力には自信のある私であったが、度重なる休日出勤と深夜残業に、さすがに身体が悲鳴を上げ始めていた。

今回、出版した『007に学ぶ仕事術』(http://amzn.to/2vROxrK)は、日常の理不尽を取り上げたケーススタディになる。特に組織には暗黙的で明文化できない理不尽が多く存在する。しかし、職務として取組んでいればチャンスが生まれることもある。私たちの働き方の意義について、007を通じて問題提起をすることが本書の狙いでもある。

上司がトラップを用意していた

どの案件も気を抜けず、周囲を見回しても、役に立つ人物はいない。それどころか、問題が発生するたび私に責任転嫁してくる上司の存在。まさに疲労困こん憊ぱい。青息吐息である。そんな状態だというのに、直属の田中部長が「有望な若手を集めて飲み会を開催したい」と私を誘ってきた。私は飲み会が嫌いだ。

今回は時間がないことから断ったのだが、そんな立場を知らない田中部長は「ちょっと仕事ができるからってカッコつけやがって!ん?」と舌打ちをした。その瞬間、私の怒りは沸点を超えた。怒り心頭に発した私は、鋭い目つきで田中部長をにらみ、「少しは仕事をしたらどうですか?」と嫌みたっぷりに言ってやった。

それを聞いた田中部長は、キィーッと猿のような奇声を上げ、目を血走らせると、「覚えてろよ!」と地獄の底から這い上がってきたかのような声で憎しみをあらわにした。そして、地団駄を踏むようにバタバタと廊下を駆けていくと、ものすごい形相をさらしながら、あることないこと私の悪口を吹聴し始めたのである。

1週間後、たまたま目が合った女性社員がビクリと肩を震わせ、慌てて目をそらした。別方向を見やると、その場にいた全員が一斉に私から顔を背けた。昼休みになると全貌が明らかになってきた。田中部長が「あいつはとんでもない!社長の愛人を略奪して、リストカットにまで追い込んだ」とあることないこと吹聴していたのだ。

この噂を払拭するには、どれくらい時間がかかるのだろう。そう思うと、天を仰ぎたくなる。「また、出世が遠のいたな」とつぶやき、言葉にならないため息を吐く。

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最終更新:9/19(火) 16:43
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