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韓国・文大統領の“鈍感力” 北朝鮮支援発表で国民も不安に

9/24(日) 7:00配信

文春オンライン

 国連安全保障理事会が北朝鮮への原油の輸出制限などを含む新たな制裁案を採択してからわずか2日後の9月14日、韓国政府は「北朝鮮へ800万ドルの人道支援を検討している」と発表した。

〈ブレ続ける対北政策 文政権は国民をどこに導く気か〉

 16日付の朝鮮日報は社説で、文在寅大統領をこう批判した。

「国際社会が制裁を強め北朝鮮の挑発行動を封じ込めようとしている中、いきなり北を支援すると発表したわけですから非難を浴びるのは当然です」(在韓ジャーナリスト)

 一方で文大統領は、「北が我々と同盟国を挑発する場合、我々には早期に粉砕して(北朝鮮を)再起不能にする力がある」などとも発言している通り、これまで、対北朝鮮に対しては経済制裁を含め強硬な姿勢で臨んできた。こうした路線を主導してきたのが、鄭義溶国家安保室長だったといわれている。

「鄭氏は元ジュネーブ大使で多国間外交の専門家。就任前は“親北”と見られていた文大統領に、現実的な外交政策を取るよう常々アドバイスをしていたようです。文大統領は意外と素直なタイプの人のようで、これまでは、鄭氏の意向に沿う形で現実路線をとってきました」(同前)

 それが一転、北支援に乗り出したのは、なぜか。

「大統領選で文氏を支援した“文在寅キャンプ”と称される左派陣営の不満が大きいからです。特に現政権の米国追随路線への反発が強く、『いまの対北強硬路線は大統領の本音じゃない』という意見すらある。文大統領は彼らを納得させるため、北朝鮮向けに良いメッセージを出す必要に迫られた」(ソウル特派員)

 だが、北朝鮮はどこ吹く風で、翌15日にも中距離弾道ミサイル「火星12」と推定されるミサイルを発射した。

「青瓦台のスタッフも『最悪のタイミングで人道支援を発表した』と嘆いていました。国内では『韓国の800万ドル支援表明に、北は3000万ドルのミサイル発射で返礼』(16日付 朝鮮日報)、と皮肉る報道も出るほどで、文大統領のメッセージは完全に裏目に出た」(同前)

 じれったいほどの鈍さから“サツマイモ”と評されたこともある文大統領。韓国民もその“鈍感力”に不安を覚え始めている。

「週刊文春」編集部

最終更新:9/24(日) 11:48
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