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パチンコ業界に迫る”2020年問題”! 知られざるその実態をひも解く

10/5(木) 8:50配信

HARBOR BUSINESS Online

 平成30年(2018年)2月1日に、新しい遊技機規則が施行される。ネット上では、来年の2月1日以降に現行機はすべて撤去される等の噂がまことしやかに囁かれているが、実際はそうではない。ほとんどの現行機は、通常の入替えによる撤去を除き、2月1日以降もそのままホールに設置されているはずだ。

⇒【資料の表】警察庁発表「平成28年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」より

 パチンコ・パチスロ遊技機は、都道府県公安委員会の許可(検定)を得れば、3年間は設置することが可能である。また検定期間の3年間が終了しても、再度公安委員会の許可(認定)を得れば、更に3年間は設置することが許される。一般的にホールは、購入した遊技機を6年間使用することが出来るのだ。

 今回の規則改正には、経過措置期間が設けられている。規則が変わったからといって、一気に全台撤去するというのは現実的ではなく、ホールの費用負担はもとより、遊技機を製造するメーカーの生産も追いつかないからだ。

 今回の規則改正に関わる経過措置期間は、最大で3年間である。

 現状、ホールに設置されている遊技機は、その遊技機の検定期間もしくは認定期間の満了日までは設置が許されたのだ。ちなみに、規則改正日以降に、検定期間を満了した遊技機が新たに認定を取得することは出来ない。

 しかし、一部地域や遊技機によっては例外もあるが、設置後かなり期間が過ぎている遊技機に関しても、規則改正日前に認定の取得(前倒し認定)が出来ることとなった。

 以上のことから、規則改正後も新しい遊技機であれば、おおむね2年半~3年間は設置が可能となる。ネット上で、一部のパチンコファンが騒いでいるようなことには、なりようがない。

 規則が改正されれば、入替費用のない中小ホールの多くは店を閉めるだろう。そう思っている人も少なくはない。しかしそれも違う。

 勿論、パチンコユーザーは年々減り続けており、パチンコホールの経営も厳しくなっている現状で、ホールをたたむ人たちもいるだろう。しかしそれは、規則改正の問題ではない。ただ競争に負けていっただけだ。

 パチンコ店の本当の危機は、規則が改正される2018年ではない。現行遊技機に対する経過措置期間が切れる、2020年~2021年こそが、パチンコホールにおける正念場の期間なのだ。

 それを証明するデータがある。下の表は、警察庁発表「平成28年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」より、必要な数字のみを整理したものである。

 パチンコ店は平成7年(1995年)をピークに毎年100店舗~400店舗ずつ減少しているのが見て取れる。

 注目すべきは、前回、大幅な規則改正が行われた平成16年(2004年)であるが、それまでに比べ若干減少店舗数が増えているものの、前年度、翌年度との差は見られない。しかし、平成16年の規則改正の経過措置期間が切れる平成19年(2007年)には、突然1000店舗以上も減少している。

 規則改正後、計画的に旧規則機を新規則機に入れ替えず、経過措置期間が切れるタイミングでの入替費用に耐え切れなかったのだろう。また遊技機を入れ替える気などさらさらなく、このタイミングでの閉店を予め計画していた店舗も多くあったと推測も出来る。

 この過去の事例からも、今回の規則改正によって、パチンコホールが大幅に減少するのは、経過措置期間や現行の遊技機設置可能期間が切れる2020年~2021年であると十分に予測できるだろう。

 更には、カジノ法案成立に向けたギャンブル等依存症対策の徹底や、2019年10月に予定されている消費税の増税や、東京都が2019年内には施行しようとしている受動喫煙防止条例等が、店舗減少速度に拍車をかける。

 現在約10000店舗と言われているパチンコホールが、2020年には7000店舗~8000店舗まで減少するのは「既定路線」とされている。裏を返せば既出の表が示す通り、2020年まで残った店舗は、営業を本来の軌道に乗せることが出来る可能性が高くなるのだ。

 ユーザーとしても、「生き残る意志のあるお店」と「3年後に閉めることを想定しているお店」をしっかりと見極めなくてはいけない。その指標については別の機会に書く予定ではあるが、本稿では、「改正規則が施行される平成30年2月1日を境に、パチンコが駄目になる」という風聞について否定しておきたい。

<文・安達 夕 @yuu_adachi>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:10/5(木) 12:56
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