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ユニ・チャームが「高級ペット食」に励む理由

10/7(土) 6:00配信

東洋経済オンライン

 「ムーニー」や「マミーポコ」など、幼児用紙おむつを手掛けるユニ・チャーム。そんなユニ・チャームがこの秋に高級ドッグフードシリーズ「グラン・デリ」の新商品を投入した。

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 9月19日に発売した新製品は水分を多く含むウェットタイプと呼ばれる商品群。レトルトパウチや缶に充填されたドッグフードで、今回はビーフ入りとなんこつ入りを展開する。販売店舗によって異なるが、価格は税抜きで350円前後という設定だ。

■ドッグフード市場は停滞

 実は近年、ドッグフード市場は縮小傾向にある。2014年度に967億円だった市場規模は2016年度に926億円に落ち込んでいる(富士経済調べ)。市場停滞の背景にあるのが小型犬の流行だ。

 2000年代前半に消費者金融のCMでチワワが登用されたのをきっかけに、日本では小型犬人気が高まった。ユニ・チャームのペットケア開発本部に所属する平野哲也氏は「レトリバーなどの中・大型犬に比べると、小型犬は食事の量が15分の1程度にすぎない」と話す。小型犬の増加で大容量タイプのペットフード需要が縮小したことが、市場の落ち込みにつながっている。

 こうした状況下にもかかわらず、ユニ・チャームがドッグフードの新商品投入に踏み切ったのはなぜか。平野氏は「最近では1頭にかかる餌の量が減ったことで、飼い主が高品質な餌にコストをかける傾向が出てきた」と指摘する。そこで目をつけたのが、付加価値の高いペットフードだった。

 ユニ・チャームが高級ドッグフードの商品を初めて販売したのは2014年のこと。当初はドライタイプといわれる、粒状で乾燥させた商品からスタートした。原材料には生肉の角切りビーフや小魚を使用するなど、飼い主からのさまざまな要望に応える形で商品化した。

 飼い主だけではなく、犬の好みもそれぞれ異なることから、「いろいろな試作品を犬に食べてもらい、どれがいちばん犬の味覚に合うのか甲子園のようなトーナメント方式で発売する商品を絞っていった」(グローバルマーケティング本部の小竹康正氏)。

■食の悩み解消を狙う

 飼い主からは食べ物の好き嫌いや食べ残しなど、食に関する悩みの声も多く聞かれるようになった。そこで登場したのがウェットタイプだ。ドライタイプに比べてにおいが強く、食いつきがいいとされる。かむ力が弱い老犬でも食べやすいのも特長だ。

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