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中居正広、音楽番組に対する特別な思い MCとしての歩みから読み解く

2017/10/8(日) 17:00配信

リアルサウンド

■音楽バラエティ番組『Momm!!』の終了

「番組が終わるってことは、やっぱ寂しいものですよ。毎週のように2週にいっぺんだとか。1年なり2年なりずっと毎週こうやって会って、いきなりパタッと会わなくなりますから」

 9月30日放送の『ON & ON AIR』(ニッポン放送)で中居は、最終回を迎えた音楽バラエティ『Momm!!』(TBS系)について語った。打ち上げの席でうまく挨拶ができなかったという。

「一応番組のMCだから……まぁ舞台でいったら座長だよね、ドラマでいったら主役。ちゃんとそういうのやんなきゃいけないんだけどできないんだよな。俺はほんと後悔したね。帰ってから、あーやっぱちゃんと挨拶(すればよかった)……」

 「苦手とか言ってる場合じゃない」などとツッコミを入れながら、「こういう時にちゃんと話さないとダメだよなぁ」と自宅に帰ってから後悔したと明かした。テレビでみせる元気な姿からは想像がつかない、ちょっとナイーブな一面をみせた。

「『Momm!!』というのは一応、音楽番組だったんですよ。音楽スタッフで撮って、作ってたんです」

 1996年にスタートした『うたばん』から、番組形態や放送時間を変えながら約20年ほど続いた音楽番組だった。長らく担当していただけに寂しさが募ったのか、うまく挨拶ができなかったようだ。

 石橋貴明とのダブルMCをつとめた『うたばん』は、これまでの歌をメインとした番組構成ではなく、まずは着席してトークを楽しむスタイルが斬新だった。会話を通してアーティストのイメージをいい意味で壊し、人柄がよくわかった上で聞く音楽は格別だった。

 『うたばん』といえば嵐の大野智と中居のコントも有名で、後輩である大野が先輩の中居に生意気な発言をするのがお決まり。「お前が小さい頃からSMAPやってんだよ」といえば大野が「いまでも小さいじゃないか」と反論。乱闘に展開するという下克上コントで笑いをとっていた。歌を披露する前に、グループやアーティストと笑いを掛け合わせることで魅力を引き出していたのもこの番組ならではのこと。

 後続の番組『Sound Room』では歌詞の内容を深く掘り下げたり、これからブレイクが期待されるアーティストを招くこちらも新たなスタイルの番組だった。

■中居にとっての“音楽番組の司会”とは

 以前、出演した番組で中居は、SMAPのメンバーに謝っておきたいこととして「5人で歌ってるところ……俺、歌ってないです」と告白したことがあった。世間的には「アイドルなのに音痴」というキャラが浸透している中居。(出川哲郎よれば実はすごくうまいという証言あり)『NHK紅白歌合戦』の司会からはじまり、『うたばん』やラストを迎えた『Momm!!』まで、音痴キャラの中居がなぜ音楽番組でMCをつとめていたのか。

 1991年にCDデビューしたSMAP。当時は『夜のヒットスタジオ』や『ザ・ベストテン』などの80年代から続く人気番組が相次いで最終回を迎えるなど、音楽番組の氷河期だった。アイドルの露出が激減し、先輩たちが歩んできた道をようには進めなかったSMAPはバラエティ番組に活路を見出すことでブレイクした経緯がある。

 中居は共演した島崎和歌子らに「司会者を目指している」と夢を語った話は有名だが、自分が司会をしたいという願望を叶えるためではなく、タレントにとってテレビに出演することがどれだけの効果をもたらすかを熟知するだけに、少しでも活躍の場を与えたい、そんな気持ちがあったのではないだろうか。

 “タレント再生工場”との異名をとる中居。現にメンバーが変わったモーニング娘。を番組に招いたことで、再ブレイクのきっかけを作ったとも言われている。

 レギュラー番組のほか、史上最年少25才で『NHK紅白歌合戦』の司会に抜擢。白組だけでなく紅組の司会も任されたのは非常に珍しいことだった。2010年からスタートした特別番組『音楽の日』(TBS系)では10時間以上の生放送で、安住アナと共に総合司会をつとめている。SMAPのコンサートでも長らくステージ演出を手がけてきた中居。単に司会がしたいわけではなく、ステージに立つ側として音楽の持つ力をわかっているからこそ音楽番組の司会として立ち続けることができたのだろう。音楽番組が衰退しているならば、これまでにない番組を作ろうーーいつかまた中居が携わる音楽番組が復活することを願ってやまない。

柚月裕実

最終更新:2017/10/8(日) 17:00
リアルサウンド