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超リアルなCG女子高生 AIは彼女に「魂」を宿すか

10/12(木) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 「テクノロジーはどこまでヒトに迫れるか」。そんな問いに真っ向から挑む開発者がいる。三宅陽一郎氏はスクウェア・エニックスでゲームキャラクターに「命」を吹き込む人工知能(AI)開発の第一人者。一方、CGでバーチャル女子高生「Saya」を生み出したのがTELYUKA(石川晃之氏、石川友香氏)だ。AIとCGが融合した「バーチャルヒューマン」誕生への道のりを語り合った。

三宅陽一郎(以下、三宅) ゲームの世界では今、AIの活用が進んでいます。それはつまり、ゲームの中に生き物を再現することだと思っています。キャラクターには、環境に応じた動きを取れるよう、目や耳のようなセンシング機能を持たせています。目の場合は、視野の幅(角度)と距離を設定し、その範囲にあるものを認識する仕組み。弊社のゲーム「FINAL FANTASY XV(以下FF 15)」では、状況に応じて、ユーザーの操作と無関係に、キャラクター同士が会話をすることもあります。例えば、歩いているときに軽い雑談を始めたり。会話中は発言しているキャラクターに他のキャラクターが目を合わせるなどの、自然なしぐさができるのです。そこに確かにいる「実在感」を得るには、キャラクターには「演技」をさせないといけません。

TELYUKA 石川友香(以下、友香) 私たちもゲームは好きで遊んでいますが、AIってかなり以前からゲームの中に導入されているものだと思っていました。近年、話題になってきたのが不思議なぐらいで。

三宅 実は日本のゲーム用AIは、つい最近まで弱い分野だったんです。伝統的に日本のゲームは、技術よりもゲームデザインを重視してきました。簡単に言えば、非常にクオリティーの高いお化け屋敷を作って遊べるようにする感じです。キャラクターは高度なことをしなくてもいい。作り手と遊び手がゲーム特有の「作法」みたいなものを共有しているので、キャラクターが多少不自然なことをしても、「ゲームだから」と受け入れてくれるんです。例えば、キャラクターが真正面から攻撃してきても、許してもらえるというところがあります。

 海外のゲームは逆に、ゲームデザインは不器用だけれど、技術は早くから高度なものが使われていました。世界を丸ごとゲームに取り込んで再現する発想なんです。AIをゲームに取り入れたのもその流れ。欧米では日本のようなゲームの作法は理解してもらえない。敵が毎回前からやってくるなどという、現実にはあり得ないようなことは受け入れられないんです。

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最終更新:10/12(木) 7:47
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