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【元ロッテ・里崎智也に聞く】巨人の小林誠司と宇佐見真吾、“里崎監督”ならどちらを使う?

10/13(金) 16:01配信

週刊ベースボールONLINE

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は捕手編。回答者はロッテ2度の日本一、WBC初代世界一に貢献した、元ロッテの里崎智也氏だ。

Q.巨人は今季、小林誠司選手が正捕手となって2年目のシーズンを戦いました。終盤戦には宇佐見真吾選手がデビューし、小林選手の座を脅かそうとしました。里崎さんが監督だとしたら、どちらを正捕手として起用しますか。またその理由と、2人の特徴について教えてください。(山形県・32歳)
A. 捕って止めて投げる能力が一軍レベルなら、それ以上の守備力に関わらず打てるほうを使う。

 解説のお仕事をさせていただいていると、「守れるキャッチャーと、打てるキャッチャーがいたら、どちらを起用しますか?」というような質問をされることがあります。私の答えは決まっていて、必ず「『捕って、止めて、投げる』能力(スキル)が一軍のレベルにあるのならば、打てるキャッチャーを使います」と回答しています。

 つまり、ある一定以上のスキルが備わっている選手がA、Bと2人いるとして、Aのほうが守備能力が圧倒的に優れていても、もう1人のBは守備ではAに数段劣るけれども、バッティングが良ければ、私は迷わずBを選ぶということです。逆に、その3つのスキルが一軍レベルにないと判断すれば、どんなにバッティングが良くても、キャッチャーのレギュラーとして見ることはできません。DHや代打、たまにマスクをかぶらせることはあるかもしれませんが、レギュラーとしては信用できないでしょう。周りの方に言わせると、私の考える「一軍レベル」は、ハードルが高過ぎるそうなのですが、それは仕方がありません。

 これらを踏まえてジャイアンツの2人ですが、確かに宇佐見真吾選手は後半戦4本塁打など長打力が魅力の良いバッティングをすると思います。ですが、『捕って、止めて、投げる』が私の考える一軍レベルにあるかというと、残念ながら信頼のおけるレベルには達していないと見ていて感じました。

 一方で、今春のWBCでは侍ジャパンでも正捕手を務めた小林誠司選手に関しては、キャッチャーのスキルは文句なく一流だと思います。捕球、ブロッキングも良いですし、スローイングももともとの地肩の強さもありますが、プロで4シーズンを過ごす中で、8割のスローイングで全力と変わらない質の高いボールを投げられるようにもなっています。バッティングでは苦しんでいる部分もありますが、私の判断基準に沿って正捕手を決めるのならば、現段階では小林選手でしょう。

 ちなみに、この基準の中に『リード』はありません。結果論で左右されてしまうためですが、もちろん、相手打線に対するデータを蓄積し、それを活用することは、キャッチャーならば最低限すべきこととして考えています。

写真=BBM

●里崎智也(さとざき・ともや)
1976年5月20日生まれ。徳島県出身。鳴門工高から帝京大を経て99年ドラフト2位でロッテ入団。06年第1回WBC代表。14年現役引退。現役生活16年の通算成績は1089試合出場、打率.256、108本塁打、458打点、6盗塁。

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