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希望の党の政策「内部留保課税」がヤバすぎる

10/13(金) 5:00配信

東洋経済オンライン

 最近、希望の党から企業が保有する「内部留保」に対して課税するという政策が打ち出され、これに対する批判が高まっています。「二重課税である」とか「会計の仕組みを全然わかっていない」など、筆者から見ればいずれももっともな批判であり、「内部留保に対する課税」がかなり筋の悪い話であることは間違いありません。

 しかし、一般にいわれている理由とは少し違った角度で、「資本の原則」という観点からこの「内部留保課税のどこが問題なのか」を考えてみたいと思います。

■そもそも内部留保って何? 

 まず内部留保というのはどんなものかについてお話しします。そもそも、内部留保という言葉や項目は、会計上存在しません。

 ところがこの言葉には「儲けた企業が金庫の中にたっぷりおカネを貯め込んでいる」というイメージがあります。実際に企業の内部留保といわれているものは、2016年度で約406兆円にも上ります。言葉のイメージでこの金額を聞くと、「ガッポリ貯め込んでいる大企業はもっと社員に給料を払え、それをしないなら税金を取るぞ!」というのはいかにも社会正義であるかのように響きます。しかしながら、それはあまりにも短絡的と言わざるをえません。

 なぜでしょうか。企業というものは何らかの方法でおカネを調達し、その調達したおカネで事業を行っています。

 ところで、おカネの調達方法には3通りあります。借金と出資、そして稼いで得る利益です。この3通りの方法で調達したおカネを使って設備投資したり、人を増やしたりして事業を拡大するのです。これをバランスシート(貸借対照表)で見ると、右側(資本の部)にどうやっておカネを調達するかが示されており、左側(資産の部)にそうやって調達したおカネがどのように使われているかが記載されています。

 先ほどの3つの調達方法のうち、借金は人から借りた、いわば他人のおカネです。一方、出資は株主が出したおカネですから所有権は株主のものです。さらにそのおカネを使って上げた利益は言うまでもなく株主のものということになります。株主がおカネを出資するのは、出したおカネを使って儲けてくれることを期待してのことですから、最後に残った利益は株主のものであるのは当然です。

 もちろん、ここで言う利益とは売り上げから製造原価やさまざまな経費を引き、従業員の給料等も払い、最後に税金を払ったうえで、最後に残ったおカネのことです。

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