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大坂なおみ、「憧れのビーナスに勝てたんだから」と笑顔で今季終了

10/19(木) 17:11配信

webスポルティーバ

 その相手は、彼女がテニスを始めた「理由そのもの」だった――。

「もしビーナス(・ウィリアムズ)とその家族がいなければ、私はテニスをやっていなかったと思う」

【写真】世界の美女テニスプレーヤー

 大坂なおみは、そう言い切ることを迷わない。

「私のお父さんはウィリアムズ姉妹に大きな影響を受けて、私たち姉妹にテニスを教えたんだもの」

 セリーナとビーナスのウィリアムズ姉妹が父・リチャードの手ほどきにより、幼少期からともに競い、やがてはふたりでテニス界を席巻するスタープレーヤーとなる……。その物語は、同じように歳の近いふたりの娘を持つ大坂の父に、多大な刺激と感銘を与えた。同時にウィリアムズ姉妹の存在は、ラケットを手にコートに立つ少女たちに、自分たちの「原点」としての敬意と憧憬(どうけい)の目を向けさせもする。

 大坂は言う。

「彼女たちは、私がテニスを始めた理由であり、テニスの有りようを変えた選手たちだとも思う。強烈なショットで試合を支配するパワーをテニス界に持ち込んだんだもの。私も自分をビッグヒッターだと思うから、彼女たちのプレーを参考にして今までテニスを続けてきたわ」

 ビーナスに向けてきたその敬意を、そして獲得してきたパワーテニスを、大坂は香港オープン2回戦での対戦で、あますことなく見せつけた。

 第1セットでは先にブレークされるが、「相手はすばらしい選手。リードされたからといって落ち込む必要はないし、落ち込んでいる場合でもない」と心を落ち着ける。同時に「自分のプレーは悪くない。このまま集中力を切らさなければ、必ずチャンスは来る」と自らに言い聞かせた。

 畏敬の念を自制心とモチベーションに換えた大坂は、第1セットのゲームカウント3-5から自慢の強打でウイナーを連発し、9ゲーム連取の電車道。勝利まで1ゲームに迫ったサービスゲームではブレークを許すも、その場面でも「ビーナスはツアーでも1~2のリターンの名手。ブレークされても仕方ない」と思えたと大坂は言う。

 果たして続くゲームでは、破壊力に満ちた1本のリターンウイナーが、あのビーナスの心を打ち砕く。ラインを大きく割るボールが試合に終止符を打ったとき、大坂は小走りにネットへ駆け寄ると、首をすくめるようにペコリと会釈し、憧れの存在が差し出した手をしっかりと握り返した。

「キャリア最高の試合」。本人もそう認めるビーナス戦勝利の2日後……大坂はアナスタシア・パブリチェンコワ(ロシア)に3-6、3-6のスコアで敗れる。相手が上り調子の世界21位であることを考えれば、結果そのものは必ずしも落胆するものではない。しかし試合後の大坂は、伏し目がちに「ミスが多すぎた」と小声でこぼす。

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最終更新:10/19(木) 17:25
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