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青学を圧倒 東海大を出雲駅伝制覇に導いた裏方“主務”の力

10/20(金) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 10年ぶりとなる優勝には、“影の主役”がいた。大学駅伝シーズンの開幕を告げる出雲駅伝(9日)で、東海大が昨季3冠の王者・青学大を圧倒。距離の短い出雲で1分33秒差をつけての「完勝」となった。

 陸上長距離専門ウェブメディア「EKIDEN NEWS」を主宰する西本武司氏は、意外な“勝因”を挙げた。

「明暗を分けた要素の一つとして、部のマネージャーを束ねる『主務』の力があったと思うんです」

 主務は練習・日程管理などを担い、レース本番ではチームの広報マンも兼ねる。主要メディアは關颯人(せき・はやと)、鬼塚翔太ら黄金世代と呼ばれる2年生の快走を取り上げるが、主務の西川雄一朗(4年)も抜群の働きを見せているという。西本氏の弁舌に熱が籠もる。

「出雲の当日、私たちがスタート3時間前にプレス受付がある出雲ドーム(屋内多目的施設)に着くと、すでに西川主務は“仕事”を始めていた。誰よりも早く現場に着き、記者やファンに選手の名前、応援スポットなどを記したハンドブックを配っていた。沿道のファンに名前を覚えてもらえれば、名指しで激励されて選手はさらに力を発揮できる。とにかく、“できることはすべてやる”という姿勢が伝わってきました」

 そんな“裏方”の働きについて、西本氏は「影響力は絶大」とヒートアップ。

「選手の待機所となる出雲ドームでのスペースの確保からして違った。例年、一塁側ベンチは大八木弘明監督率いる駒澤大など古豪の定位置で、ここ数年は青学大がその“威圧感”を避けて比較的空いている三塁側に陣取り、結果を残してきた。すると今年は、青学大がいたあたりを東海大が先に確保。それによって1区を任された大学駅伝初挑戦の阪口竜平(2年)もリラックスでき、区間賞の走りに繋がったに違いありません。

 主務の力は本当に大事なんです。青学躍進のきっかけとなった体幹トレーニング(通称「青トレ」)を定着させたのは、箱根初優勝時(2015年)の高木聖也・主務でした。実は西川主務はその高木主務と同じ九州学院高(熊本県)出身。西川主務は同じ高校の先輩から、“主務の極意”を伝授されたのではないか。そんな想像さえ浮かんできます」

 来年1月の箱根の勝敗を左右するのは、襷をつなぐ選手たちだけではない。

※週刊ポスト2017年10月27日号