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その勇姿、今年で見納めなのか? 本人が語った”カカーの足跡”

10/23(月) 20:37配信

footballista

“それぞれの時代が、僕を幸せにしてくれた”

Interview with
KAKA
カカー


10月11日に今シーズン限りでオーランド・シティを離れると発表し、15日にラストマッチを終えたカカー。退団発表の直前には引退を示唆する発言があったと報じられており、その去就が注目される。時代を彩った名手がまた一人、ピッチを去ることになるのか――そこで今回、昨年の本誌創刊10周年に合わせて栄光も苦悩もいろいろあった10年を振り返ってもらったインタビューを特別掲載。見納めとなるかもしれないそのキャリアに思いを馳せてほしい。


インタビュー・文 藤原清美


すべてを達成したミラン時代
あの決勝は、一番心に刻まれる試合だ


── このインタビューは日本の雑誌『フットボリスタ』の創刊10周年号に掲載されます。ですので、今日はカカーのこの10年間を振り返りたいと思っています。

「人生には、時期とか時代というものがあると思うんだ。僕は実際、自分のそれぞれの時代を凄く良く生かせてきた。日本でのワールドカップに行った2002年はもっと若い時代で、すべての経験を楽しんで吸収しようとしていた。2006年、2010年の大会では、僕はチームの中でも重要な存在になった。そしてその後、もっと経験豊富で成熟した時代が来た。そんなふうに各時代を生かせてきたし、そういう機会を得てきたことを幸せに思っているよ。今の僕は、特に精神面でとてもバランスが取れている。だから、プロとして凄く良い時期にあると思っているんだ」


── あなたのプレーはどう変わりましたか?

「試合を理解できるようになった。この間、インテルでプレーするミランダと話していたんだ。彼はイタリアに行って毎日戦術練習をやっている、と。『それってうんざりするよね』と言い合った(笑)。僕がそこへ行った時も、あまり好きになれなかったことの一つだったから。でも今、自分のイタリア時代を振り返って、最も価値があったと思えることだ、とも言った。シーズンの終わりになると、自分の戦術眼やサッカーの見方が、シーズンの始まりと比べてどれだけ変わっていたことか、と。試合でピッチの中にいて、何が起こっているのかがわかるし、その場でのベストな選択肢がわかる。この年齢になった今、それが実感できる。突破すべき時、キープすべき時、ペースを落とすべき時がわかる。ポジショニングのことも含め、より良く試合を読めるようになったんだ」


── サンパウロからミランに移籍したのは2003年。当時、たぶんミランはカカーの将来に賭けたんだろうけれど、加入直後から活躍し始め、最終的にはすべてを達成した。そんな自分を想像していましたか?

「いや、想像していなかった。サンパウロを去る時、僕はまだ21歳。クラブ首脳陣が言ったんだ。『君はミランでベンチ暮らしをすることになる。それでも挑戦したいならクラブは君を送り出そう』って。あの頃、僕のポジションにはリバウドとルイ・コスタがいたからね。でも、それでもいいと思った。ミランというビッグクラブで学びたいことがたくさんある、とね。それで移籍して練習を始め、僕にもプレーするコンディションがあることを見せて、ポジションを獲得した。そしてチームはセリエAで優勝し、僕も年間MVPに選ばれたんだ。それがヨーロッパでのスタートだった」


── この雑誌の創刊シーズン「06-07」というと、やはりチャンピオンズリーグ優勝です。

「あの決勝は、ミラン時代を通しても一番心に刻まれる試合だよ。相手はリバプール。2005年の決勝で敗れたのも彼らだったんだ。あの決勝は素晴らしいものだった。その結果、僕も大会MVPを獲得した。あのシーズンは、FIFA世界最優秀選手賞(当時)も受賞できて最高な年になった。個人的には、準決勝マンチェスター・ユナイテッド戦のゴールが思い出に残る。アウェイとホームのサンシーロで決めたんだ。勝利への決定的な瞬間だった。経歴に刻まれるものになったね」

── 大会得点王にもなりました。

「FWでもないのにね。僕にとっては大ニュースだよ。想像したこともなかったのに、10ゴールを決めて得点王になった。それもチャンピオンズリーグという、ヨーロッパ最高峰の大会でだからね」

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最終更新:10/23(月) 20:37
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