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人はロボットともセックスしたい──報告書

2017/10/23(月) 18:59配信

ニューズウィーク日本版

セックスロボットといたす予感を抱いている男女は意外に多い

人はそれが可能になればロボットとでもセックスをするのだろうか。人とロボットはどんな関係を持つのだろうか。売春婦や売春宿も、働いているのがロボットなら合法化されるのか。性的な癒しや治療には役立つのか。性犯罪は減少するのだろうか。

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──オランダの非営利団体リスポンシブル・ロボティクス財団(FRR)がこの夏発表した報告書の問いかけだ。それによれば、現代の成人は、AI(人工知能)と親密かつ人とそっくりの関係を築く心の準備ができているようだ。

「性的欲求を満たすセックスドールこそが、ロボットが未来のセックスで担う新しい役割だ」と報告書の著者は書く。「最高にリアルで親密に感じられるセックスロボットを開発し、それを適正な価格で提供できる企業こそ、最大のシェアを手にするだろう」

現在市販されている人型のセックスロボットの一部は動けるが、セックスのパートナーとしては基本的に受け身。だが報告書は、ロボットはこれから「双方向型」へと進化し、まるで生身の人間のように人の手や声に反応できるようになると結論付ける。

大人の玩具市場は、すでに急ピッチでAIを取り込んでいる。人類はそう遠くない未来に「ディルドニクス(セックス玩具)とロボティクスの融合」を目の当たりにすることになると、報告書は予測する。それは、セックス玩具の目覚ましい進歩ぶりを見ればわかる。米人気ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティー」で紹介されて大ヒットしたバイブレーター「ラビット」も今は時代遅れ。空気で膨らませるセックスドールにいたっては、今やジョークでしかない。

■相手がR2D2でも驚かない?

さらに報告書は、今後セックスロボットが、遠距離恋愛で重宝されるようになると言う。すでに多くの企業は遠隔操作ができる大人の玩具を開発し、遠距離恋愛中のカップルでもちょっとした変態プレイを楽しめるようになっている。いずれは数百キロ離れた場所からでも遠隔操作できるようになるだろう。

たとえば、『スター・ウォーズ』に登場するロボットR2D2と人がセックスすることを想像すると、身の毛がよだつと言う人もいる。だが多数の研究や調査によれば、多くの現代人はそういう展開もありと予期しているようだ。

2016年に発表されたある研究は、21~61歳までの男女100人を対象に調査を行った。男性の3分の2、女性の3分の1が、ロボットとセックスするという考えに抵抗はないと回答した。全体の86%は、ロボットには人の性的欲求を満たす能力があると信じると答えた。

■発想はギリシャ神話の時代から

報告書の著者は、数多くの映画や本を通じて、人とロボットのセックスを描く文化的な枠組みはすでに存在している、と指摘する。例えばスティーブン・スピルバーグ監督が手がけた2001年のSF映画『A.I.』には、セックスロボットのジゴロ・ジョーとジゴロ・ジェーンが登場した。

だが報告書によれば、人とロボットのセックスという発想が生まれたのは、映画ができるより遥か昔、古代ギリシャ神話にピグマリオンが登場した時代まで遡る。神話のなかで、彫刻家のピグマリオンは、象牙から女性の人形を彫り、その人形と眠るために特別なベッドをこしらえた。彼は自分が彫った人形と恋に落ち、最後は愛の女神アフロディテが人形を本物の女性にした。

■性だけではない関係も

一部の人はピグマリオンと同様、セックス以上に、人以外のパートナーと関係を築くことに関心をもっている。彼らはロボットとデートをしたり、恋愛をしたり、恐らく愛を育むことにさえ興味がある。2016年に1002人を対象に行ったある調査では、4人に1人が人型ロボットとデートしてもよいと考えていた(デート代も自分が払うつもりだろう)。

ロボットと日常的にセックスするには、お金がかかる。セックスロボットの現行モデルの価格帯は、5000~15000ドルほど。セックスロボットメーカーの「アンドロイド・ラブ・ドール」社は、購入者がセックスロボットをカスタマイズできるサービスを提供している(髪や目の色、胸の大きさ、ボディの形など変えられる)。同社のロボットは、胴体や手足の位置を50余りのパターンから思い通りに変えられるのが自慢だ。だが将来的には、わざわざ人が調整しなくても、ロボット自身がずれてくれるようになるのだろう。

(翻訳:河原里香)

ジェシカ・ファーガー

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