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朴槿恵被告が山岡荘八『徳川家康』を熟読し、弁護団が全員辞任のワケ

10/27(金) 6:10配信

デイリー新潮

「惨めで、全ての名誉と人生を失った」

 韓国で、収賄などの罪に問われている朴槿恵・前大統領だが、弁護団の7人が全員辞職する意向を示し、特にネット上では批判が巻き起こっている。そして朴前大統領は拘置所の中で、何と山岡荘八著『徳川家康』(山岡荘八歴史文庫・講談社)を熟読する日々という。

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 朴前大統領は、長年の友人で国政介入疑惑の中心人物とされる崔順実被告と共謀、韓国最大の財閥であるサムスングループから、約束分も含めて日本円で40億円を超える賄賂を受け取ったとして4月に起訴、現在はソウル中央地裁で裁判が行われている。

一貫して無罪を訴えている朴前大統領は16日の裁判に出廷し、初めて心境を吐露。「この6カ月間は惨めで、全ての名誉と人生を失った。政治報復は私で最後になるよう望む」と訴えた。また弁護団は、この日に朴前大統領が6カ月間の拘留期限を迎えたにもかかわらず、裁判所が6カ月間の延長を決定したことに激しく反発。7人全員が辞任届を提出した。

 唐突な印象を受ける弁護団辞任だが、いわゆる「ボイコット戦術」だ。弁護士不在では開廷は不可能。辞任を認めると、最終的には国選弁護人を依頼することになる。だが捜査記録や裁判資料は既に10万ページを超えているとされ、審理が大幅に遅れてしまう。公判維持を人質に取った戦術だが、裁判所としては、まずは辞任の撤回を求めるようだ。

 これに韓国のネット世論では批判。「姑息な手段を使わず、正々堂々と裁判に臨め」「もう国選弁護人でいい」といった意見が目立つという。

韓国でも山岡荘八の『徳川家康』は高い人気

 四面楚歌という印象の朴前大統領だが、東亜日報が10月に「『徳川家康』を読む朴槿恵氏」の記事を掲載し、話題になっている。

 記事には、《収監中の朴槿恵前大統領(65)が、日本の戦国時代を扱った歴史小説『大望』を手に取った。朴氏は政治家と企業経営者の必読書に選ばれる『大望』を読んで自分が置かれた状況を噛みしめているという》とある。この『大望』という小説が、山岡荘八の『徳川家康』の韓国版タイトルなのだ。

 朴氏のある側近は、東亜日報の取材に対して「朴氏が小説の中の徳川家康の人生に自分の境遇を投影しているようだ」と話したという。そして記事は《監房と法廷で辛い時を過ごしている朴氏が、徳川家康を通じて希望を見出しているということだ》と伝えている。

 日本人にとっては驚かされる記述ばかりだが、韓国社会に詳しいジャーナリストは「山岡荘八の『徳川家康』は韓国で、三国志と並ぶ人気を誇っています」と解説する。

「国土が狭く、資源に乏しい韓国では、己の頭脳を頼りに裸一貫で成り上がっていく主人公を描く歴史ロマンが人気です。そう聞くと、日本人は家康より豊臣秀吉を思い浮かべますが、韓国に攻め込んだ秀吉が主人公の小説を愛読するわけにはいかない。家康は豊臣家を倒したし、山岡荘八の『徳川家康』には秀吉の描写も非常に多い。こうしたことを背景に、昔も今も『大望』は多くの愛読者がいます」

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最終更新:10/27(金) 6:10
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