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選手はVIP待遇、人身売買まがいの選手オークションも⁉ 現地で闘う侍に訊いたインドサッカーの真実

11/1(水) 18:06配信

SOCCER DIGEST Web

「移動は飛行機、宿泊は5スターホテル、選手は常に手ぶらでいい」

 ラモス瑠偉、呂比須ワグナー、三都主アレサンドロ、田中マルクス闘莉王。彼らはブラジル国籍から帰化し、日本代表でも活躍した偉人たちだ。反対に日本国籍から外国籍への帰化選手となると余り馴染みがないのだが、インドで奮闘するひとりの“侍”を紹介したい。
 
 和泉新、35歳。山口県下関市出身の若人は海を渡り30歳でインド国籍を取得、国内では名の知られたプレーヤーだ。今季、ISL所属ケーララ・ブラスターズFCへ移籍。スペイン・マラガで4週間のプレシーズンキャンプを終えて戻った彼に、インドでの歩みを聞かせてもらった。
(取材・文:佐々木裕介)
 
――◆――◆――
 
――スペインキャンプは如何でしたか?
「スペインへは3年連続で来させてもらっているのですが、マラガは初めてでした。どの街にも風土があって本当に良いところだなと感じています」
 
――4週間もスペインでキャンプを張れるあたり、クラブの財政は豊かなのですね。
「ISL(インディアン・スーパー・リーグ)のクラブは潤っていますね。国を代表する企業が出資サポートしていますから」
 
――クラブの待遇はどうなのでしょうか?
「簡単に言えば、VIP待遇です。移動も飛行機、宿泊は常に5スターホテル。選手は常にほぼ手ぶらで行けばいいイメージです。昔とは雲泥の差ですよ。ただリーグが出来て5年目、専用施設を保有しているところは、まだ少ないです。お金はあるので順に改善されていくのかなとは思っています」
 
――インドへ渡ったきっかけは?
「シンガポールでプレーしていた時期に知り合った方がイースト・ベンガルFC(インドの名門クラブ)のクラブ会員で、口利きでトライアルに参加させてもらったんです。当時、インドサッカー強化の一環でインドにルーツを持つ選手(PIO)を集めていた時期で、ハーフの私(父がインド人、母が日本人)には好都合でした」
 
―――数あるダービーマッチの中でも、イースト・ベンガルFC対モフン・バガンACが争う“コルカタ・ダービー”の熱狂度は世界でもトップクラスだと聞いたことがあります。
「インドへ渡った初年度に2度プレーしました。スタジアムにはいつも10万人以上の“男性ファン”が集まり3階席まで埋め尽くすんです。当時は発煙筒や爆竹が飛び交い、両チームのファンは罵声を飛ばし合う、雰囲気が殺伐としています。実際にピッチに立つと、1メートル先の声が聞こえないんです。でも選手には『どんなことをしてでも勝たなければ』というプレッシャーが覆いかぶさりトランス状態になる。なので、正直試合のことはよく覚えていません。私のダービー通算成績は1勝1分け、勝った試合で決勝点につながるアシストをしたんですが、試合後はスーパーマリオのような口髭を蓄えた多くの小父様たちから祝福のキスを浴びるという(苦笑)、まあすべてが貴重な経験です」

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最終更新:11/1(水) 18:06
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