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【元ロッテ・里崎智也に聞く】敬遠の申告制はあり? なし?

2017/11/8(水) 16:01配信

週刊ベースボールONLINE

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は捕手編。回答者はロッテ2度の日本一、WBC初代世界一に貢献した、元ロッテの里崎智也氏だ。

Q.メジャーでは2017年より敬遠の申告制が導入され、日本でも来季から取り入れられるのではないか、と言われています。「時間短縮」が最大の目的のようですが、キャッチャー目線ではどのような利点がありますか。また、そもそも申告制について、ありかなしか、里崎さんの意見を聞かせてください。(北海道・32歳)
A.ディフェンス面から考えればメリットあり。時間短縮が目的ならば意味がないし大反対。

 私は現役時代にキャッチャーでしたから、単純にディフェンス面だけを考えると、ありがたい制度と言えるのではないでしょうか。敬遠はランナーを置いた緊迫したケースで行うことが多いわけですが、そうした場面のピッチドアウト(外し球)は暴投の可能性もあり、受けるほうのキャッチャーも最悪の事態を想定しているので、けっこう緊張するものです。

 ただ、ボールを4球投げずにその意志を示すだけで歩かせることができる敬遠の申告制が導入されれば、あれこれ気を遣わなくてもよくなりますし、イージーなミスによる失点の可能性がゼロになるわけです。繰り返しますが、単純にディフェンス面だけを考えれば、メリットはありますし、加減をして投げることが苦手なピッチャーたちは「ありがたい」と思うのではないでしょうか。

 ただし、敬遠の申告制が提案された理由がどうにも納得いきません。「時間短縮」が最大の目的だと言われていますが、これほどバカなことはないし、ヘタな理由をつけるな、と言いたいですね。一体1試合に敬遠が何度あるのか。MLBでもNPBでも5~6試合に1個の計算のようで、「NPBはこんなもので本当に時間短縮になると思ってるの? 意味ないじゃん」が私の意見です。時短が理由なら大反対。MLBがやるからって、右にならえの必要はないですよね。

 また、時短を追求する制度を決めている側は野球の随所に存在する“間合い”の重要性が分かっていません。次打者のネクストでの時間、そして打席に向かう際も、ゆっくり歩きながら心、体を研ぎ澄ませているのです。打席に立ってからも相手の間合いだと思えば打席を外すし、ピッチャーだってリズムを嫌がればプレートを外します。その駆け引きも野球の大切な要素です。その間合いをファンの方も息をのんで見守っていると思います。

 敬遠の申告制はそんな時間を取り上げるような行為。時短にこだわるなら、乱暴を承知で言うと、試合中の花火、ジェット風船、チアガールのダンスをやめて、5回終了後の長いグラウンド整備も簡素化することも1つの手。敬遠の申告制を導入するなら、みなを納得させる説明が必要だと思いますが、いかがでしょう。

写真=BBM

●里崎智也(さとざき・ともや)
1976年5月20日生まれ。徳島県出身。鳴門工高から帝京大を経て99年ドラフト2位でロッテ入団。06年第1回WBC代表。14年現役引退。現役生活16年の通算成績は1089試合出場、打率.256、108本塁打、458打点、6盗塁。

週刊ベースボール

最終更新:2017/11/23(木) 1:52
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