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W杯目前で散った北アイルランドに見る、 厳しくも奥深い欧州サッカー

2017/11/14(火) 12:51配信

webスポルティーバ

「この大会で我々はすばらしい結果を残した。ハンガリー・フットボールにとって大きな一歩だ。しかし、またすぐに次の戦いが待っている。ワールドカップ予選はまた別の、そして難しい戦いになるだろう」

【写真】おめでたいぞ、ハリル。ブラジル戦の真実はここにあり

 昨年、44年ぶりのユーロ出場を果たし、本大会でもベスト16に進出したハンガリー代表のベルント・シュトルク監督が口にした、そんな言葉を思い出す。

 フランスで行なわれたユーロ2016は、伏兵の躍進が目立った大会だった。

 本大会の出場国数が2012年大会の「16」から「24」に増え、大会前にはレベル低下を危惧する声もあったが、むしろ大会を盛り上げたのは、いわば規模拡大の恩恵を受けて出場権を獲得した国々だった。

 初出場でベスト4進出の快挙を成し遂げたウェールズをはじめ、ベスト8進出のアイスランド、ベスト16進出のハンガリー、北アイルランドと、久しぶりに、あるいは初めてメジャートーナメントに出場した国が軒並み勝ち上がった。こうした機会に縁がなかったサポーターも、ここぞとばかりにフランスに大量集結。前年にパリで発生した大規模テロが暗い影を落とすなか、彼らは大会の盛り上げに一役買った。

 だからこそ、今回のW杯予選でもこうした国々の動向が注目された。ユーロでの躍進をステップに、彼らは久しぶりの、あるいは初めてのW杯出場を手にできるのではないか、と。

 しかし、ヨーロッパの出場枠は、開催国のロシアを含めても14カ国にすぎない。ユーロの24カ国に比べると、W杯は格段に狭き門である。

 上記の”伏兵国”のうち、9組に分かれて行なわれた予選グループを1位で勝ち抜き、出場権を獲得できたのはアイスランドのみ。ウェールズ、ハンガリーはあえなく予選敗退に終わった。特にウェールズは、ホームでの最終戦で引き分け以上ならばプレーオフに進出できたが、アイルランドに0-1で敗れ、土壇場で夢絶たれた。世界的スターであるFWガレス・ベイルを擁し、大陸選手権で4強入りを果たした国でさえ、手が届かない。ヨーロッパからW杯に出場することの難しさを、残酷な結末は物語る。

 そんななか、”ユーロ躍進組”の最後の砦ともいえる存在となっていたのが、北アイルランドだった。

 北アイルランドは、予選グループでドイツに1位を譲ったものの、チェコ、ノルウェーとの競り合いを制し、2位を確保。スイスとのプレーオフへ駒を進めた。ホーム・アンド・アウェーの2試合で勝利できれば、1986年メキシコ大会以来の本大会出場。32年ぶりとなる夢の実現まで、あと一歩のところに迫っていた。

 現地時間の11月9日に北アイルランド・ベルファストで行なわれたプレーオフ第1戦は、スイスが1-0で先勝。そして、雌雄を決する第2戦が11月12日、スイス・バーゼルで行なわれた。

 スイスが勝利した第1戦、唯一の得点はPKによるものだった。そのPKにしても、シュートが腕に当たったという判定はかなり微妙なもので、北アイルランドにとっては不運な結果ではあった。

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最終更新:2017/11/15(水) 18:17
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