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テレビは本当に「オワコン」なのか ビートたけしの大正論

11/14(火) 12:20配信

デイリー新潮

皇室批判もOKか

 さらに、イギリスの公共放送であるBBCでは、王室も笑いのネタにしているが、果たして日本で同じことができるのか、と問う。それを許容するのだろうか、と。

「皇室をネタにするのはダメだけど、政府ならばいくらでもOKというのは、ダブルスタンダード。それだと不公平になる」

 日本ではかつて皇室風刺の作品がもとで人が亡くなる不幸な事件が起きたことがある。イスラム圏でも、同様の事件が起きている。その是非は別として、それぞれのお国柄を考慮しないで、単純に「権力をネタにしていない」と外野が批判するのは、「やっぱりちょっとおかしい」と言うのである。

予算とオワコン

 権力者との関係性に関しては茂木氏の主張はあまりにステレオタイプなのかもしれない。が、それ以外の面でも「テレビはオワコン」と感じている人は茂木氏に限らずいるはずだ。

「最近のテレビはつまらない」といった声は、世代を超えて発せられている。その点について、実際に第一線で活躍し続けているたけしはこう語る。

「そう言いたくなるのもわからなくはないんだけど、今はテレビ不遇の時代なんだ。

 理由のひとつは、単純で、景気の問題。

 景気が悪いから、昔はふんだんにあった予算が取れなくなった。以前はコントのセット一つ作るのに何千万円もかけてやっていたけど、今はそれだけの予算があれば、バラエティ番組が何本も撮れてしまう。

 そういった状況も当然考慮しなければいけない。もちろんテレビはアイデアが第一で、予算を掛ければ面白くなるとは限らないけど」

 出ている芸人も、「本当はこんなことをやりたくない」と思うことも多いのだという。

「バラエティ番組で、芸人は漫才やコントをやるわけじゃなくて、わけのわからないタレントと一緒になってひな壇に座らされる。そうした状況の中で、一瞬のコメントで笑わせなければいけないんだから、なかなかハードルが高い。

『頼むから俺たちに芸をやらしてくれ』って、芸人の奴らは、みんなそう思っているはずなんだ。

 もちろん中には、ひな壇に上がってこそ勝負できるタイプの芸人もいる。それはそれで適者生存の法則に従っているわけだから、否定をするつもりもない。

 客をネットやスマホに奪われて、視聴率が低迷して、スポンサーもつかない。そうすると予算が取れないから、じゃんじゃんじゃんじゃんやることが小さくなってきちゃう。

 テレビが悪い循環に陥りそうになってきているのが今なんだ」

 この悪循環に追い打ちをかけているのが、誰もが「批評家」になる風潮だという。「一億総批評家時代」に関するたけしの見解は次回、ご紹介しよう。

デイリー新潮編集部

2017年11月14日 掲載

新潮社

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最終更新:11/15(水) 15:38
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