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室井佑月「お言葉が欲しい」〈週刊朝日〉

11/16(木) 16:00配信

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 11月3日付の日本経済新聞朝刊に『内閣支持 上昇54%』という記事が載っていた。

<日本経済新聞社とテレビ東京は第4次安倍内閣の発足を受け、1、2両日に緊急世論調査を実施した。内閣支持率は54%で、9月の前回定例調査から4ポイント上がった。不支持率は38%で4ポイント下がった>

 なんで? 理由がもうわからん。

 野党が纏まっていないから、これ幸いと解散総選挙をする卑怯な首相なのに? 5カ月近くも国会審議から逃げ回っていた気弱な首相なのに? 議席数に応じて野党の質問時間を削れと、無茶なこといい出す我が侭(わがまま)な首相なのに?

 国会とは野党の質問に答える場というより、我々国民に説明する場。どれだけ国民軽視なのだろうか?

 これまで「謙虚に」という言葉を何度も使ってきた首相。自分の欠点は、謙虚じゃないところだってわかっている。が、直らないし、直さない。

 ま、それでもいいのか、支持する人はこんなにも多いのだし。

 最近は、自分が間違っているんじゃないかと思えてきた。間違えているというか、自分だけがわかっていないんじゃないかと。

 あたしの知らぬ間に、安倍首相は、この国の象徴のようなものになったのかも。ひょっとして、閣議決定でそう決めたとか?

 だから、安倍首相を攻めるような発言をすれば、『売国奴』だの『反日』だのという悪口を浴びせられるし、安倍首相の街頭演説では、大量の日の丸国旗が振られたりする。

 つまり、安倍首相がどんな人物であろうが、もう関係ない。どういう首相であっても、我々国民は粛々と受け入れなくてはいけない。安倍首相が卑怯で傲慢で嘘つきであったら、それがこの国の姿なわけで。

 ……ほんとうか?

 天皇陛下は2019年3月末にも退位される、と報道されている。陛下は平和を愛する立派な方だ。国民からも慕われている。

 この国が間違った方向に進んでいきそうな今、なにかが大きく変わってしまいそうな今、こういう時にこそ、本物のこの国の象徴である陛下から、この国がどういう国であるべきか、将来どういう国を目指すべきか、あたしたち国民へのわかりやすく力強いメッセージが欲しい。

 もちろん、天皇陛下は政治的発言をしてはいけないことも知っているし、その発言を政治的に利用してもいけないことは知っている。

 けれど、国民全員が、真剣にこの国について考えるには、もうそれ以外ないと思う。

 安倍首相がいちばんやりたいことは改憲で、それが進めば、この国は戦争のできる普通の国になる。陛下が望まれた平和国家ではなくなる。それでほんとにいいんだろうか?

 安倍内閣の支持率の高さは、この国が戦争のできる普通の国になることを、国民も望んでいるということなのか? わからない。

※週刊朝日 2017年11月24日号

最終更新:11/16(木) 16:00
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