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新卒の内定率9割も、実は「2極化」 企業にも学生にも不満が渦巻く理由

11/15(水) 8:10配信

NIKKEI STYLE

 来春に卒業する大学生の就職内定率の上昇が話題になっています。内定率は6月半ばに早くも7割を超え、9月はじめには9割近くに達したとの調査もあります。空前の売り手市場といえますが、企業と学生の双方に理想の相手に巡り合えないとの声もあり、特に学生にとっては必ずしも満足できる状況とはいえないようです。

 就職内定率とは、就職を希望する学生のうち、企業から内定を得られた人の割合を指します。2017年春の新卒で就職した人の割合(就職率)は約76%。内定率の上昇は企業の採用意欲を反映しますので、来春の就職率はさらに高まりそうです。

 大卒の就職率はここ数年、上昇していますが、過去にはもっと高い時期がありました。高度成長期の1960年代はほとんどの年が80%台、バブル経済がピークに達した90~91年も80%を超えました。ただし、大卒で就職する人の数でみると65年は約13万人、90年は約32万人で、17年は約43万人と圧倒的に多いのです。高校卒業後、大学に進学する人の割合(大学進学率)が約50%に高まり、大卒の総数が増えているためです。

 総数が多いだけに、人気がある企業には多くの学生が殺到し、厳しい競争になりがちです。厚生労働省が所管する東京新卒応援ハローワーク(東京都新宿区)を訪れる学生は年間約3万人。田口房代室長は「競争を勝ち抜いて複数の企業から内定を得る学生と、なかなか内定を得られない学生に二極化している」と指摘します。

 企業は大学名だけで学生の能力を判断せず、筆記や面接試験を重視する傾向を強めています。総合職だけでなく、営業や販売といった職種での募集も増えていますが、希望する企業や職種の内定を得られず、現在も就職活動を続けている学生は少なくありません。

 労働経済学が専門の脇田成・首都大学東京教授は「学生の数が増えるにつれ、就活支援や実務教育のニーズが高まっているが、担える教員は限られている。技術やビジネスの世界でホームランを狙えるエリートを育てる機能も弱く、大学教育の中身を見直す必要がある」と話しています。

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最終更新:11/15(水) 11:16
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