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コンビニATMの「消滅」がほぼ確実と言われる理由

11/15(水) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 コンビニエンスストアからATM(現金自動預け払い機)が消える──。今やネット通販市場の広がりでクレジットカード決済は当たり前。店舗でもスマートフォンによる決済や、ビットコイン(仮想通貨)の拡大でキャッシュレス化の波は大きなうねりとなり、否が応でもコンビニATMの存在自体を脅かす。銀行がATMの縮小に動くなかで、最終局面にきているのか。(流通ジャーナリスト 森山真二)

● 減少する銀行ATMの 受け皿になってきたコンビニ

 セブン銀行などコンビニATMの設置台数は、コンビニ店舗数の増加に伴って拡大してきた。セブン銀行の設置台数が2万3368台(17年2月末)、またファミリーマートが主導し中堅コンビニが加入するイーネットが1万3272台(17年10月末)、ローソンが1万2350台(17年11月末)となっている。

 コンビニ各社の出店加速化で、コンビニATMの設置台数も順調に伸びてきた。店舗には必ずATMが付き物だから、今でも台数だけは順調に増えている格好だ。セブン銀行も18年2月期は前期比で900台の純増を見込んでおり、セブン-イレブン店内や店外での設置が進んでいる。

 なかでもセブンのATM設置台数は、メガバンク3行の合計の設置台数よりも、さらに多いという存在感を示している。

 先述した通り、コンビニATMが銀行ATMの受け皿となってきたのは事実で、セブン銀行は600以上に上る金融機関と提携、またファミマが主導するイーネットはメガバンクや地銀など66行からの出資を受けて金融機関との関係を緊密化、コンビニのATM運営会社は手数料収入を軸に収益を上げてきた。

 最近では、稼働率が下がった銀行のATMが“お荷物”となっているという論調も目立ってきている。メガバンクとりそなグループ傘下の2行を合わせた都市銀行の台数は2001年以降、コンビニATMの急ピッチな増加と裏腹に約15年間で1割減少した。

 金融機関のなかには「ATMはコンビニに任せればいい」という方針で、自前のATMをゼロにした金融機関もある。

 ATMの導入コストは、1台当たり300万円程度とバカにならない。今や積極的に投資する金融機関は少なく、なかには中期的にATMを半減させるという金融機関もあるという報道もある。銀行ATMが漸減傾向をたどっていくのは確かだろう。

● 利用件数は漸減傾向が顕著 オリンピックがターニングポイント

 とはいえ、コンビニのATMが安泰かというとそうでもなさそうだ。

 というのも、ATM1台の1日あたりの利用件数を見れば、低下傾向が顕著になってきたからだ。

 株式を公開しているセブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン銀行の例をみてみると、2012年度に111.1件あったものが14年に100.9件、16年に95.5件まで落ち込み、17年度の計画も期初の94.7件から最近94.3件に修正するという状態である。平均利用件数の漸減傾向は顕著になってきているのだ。

 恐らく、ファミリーマートやコンビニ各社で構成するイーネットや、ローソン・エィティエム・ネットワークスも同じ問題を抱えているのは間違いないだろう。

 セブン銀行は、ATMさえ設置してしまえば、後はチャリンチャリンと手数料が入る仕組みで、これまでグループの「ドル箱」的存在だった。初期投資も、銀行ATMに比べて不要な機能を省いているため、100万円台後半と銀行の3分の2以下で済んでいるため、積極的に設置台数を増やしてきた。

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