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苦情の客も買い替えた! 「新車を3日に1台売る」男、初対面でその気にさせる秘策

11/18(土) 12:10配信

NIKKEI STYLE

 ホンダカーズ桶川(埼玉県桶川市、江川甲子雄社長)の上尾南店(同県上尾市)に勤める徳永裕充さん(39)は、2014年度から3年連続でホンダに販売成績を表彰された。3日に1台のペースで新車の購入契約をまとめる。営業になって7年目。整備士の経験からホンダ車を熟知すると自負する。初対面から売り込む姿勢が加わって壁を越えた。

 営業になって5年目の15年秋、徳永さんは窮地に立っていた。4~9月の販売台数が29台にとどまっていた。14年度は118台と年間100台に乗せ、営業経験が3年未満を対象にした新人賞を受賞したが、15年5月に大宮吉野町店(さいたま市)から同じホンダカーズ桶川が運営する上尾南店に移り、以前の顧客を手放したのが響いた。

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 「1~2年目に逆戻りしてしまう」。営業のペースをつかみ始めた矢先の異動で、焦りが募った。

 状況を打開するため、「『いきなり営業をするのは失礼』との先入観を捨てた」。前任者からの引き継ぎなどであいさつする際にも遠慮せずに家族構成や車の使い方を聞いたうえで、困っていることや今の車で不便に思っていることを聞き出して新車を紹介した。

 「私が逆の立場なら初対面で新車を勧める人はふつうではないと思う。言うのが怖かった」。「いきなり売り込むなんて」と言う客もいたが、名前を覚えてもらえ、その後の営業のプラスにもなったという。終わってみれば、15年度の下半期(15年10月から16年3月まで)は87台を売り、年100台の大台を維持した。

 16年度の販売台数は119台だった。ホンダの系列販売店は全国に2200あり、1万2000人の営業担当がいる。徳永さんはトップ100位の常連になりつつある。

 上尾南店の店長、福岡久智さん(39)は徳永さんを「1つ1つの商談で粘り強い」と評する。車の価格が予算の上限を上回っても安全装備を付けておいた方が中古で売る時の価値が高くなるなど、将来の利点を訴えて契約につなげる。

 「ステアリングが硬い気がする」という苦情にも近い客の一言から買い替えにつなげたこともある。その顧客は「全然買うつもりがなかったけど、買い替えてよかった」。新型車を説明しているうちに顧客の気が変わる。「質問が増えるのは関心が高まっている証拠」で、顧客の気持ちが購入に傾いてスイッチが入った瞬間を敏感に捉える。

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最終更新:11/18(土) 12:10
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