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「がん家系」に属するかどうか、判別する3つのポイント

11/20(月) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 医学の進歩で遺伝子分野の研究が進み、病気は「遺伝」が原因となるのか、それとも生活習慣などの「環境」が引き起こすのかという課題でも研究が進んでいる。

 最も気になるのは、日本人の死因トップである「がん」と遺伝の関係だ。日本人はよく「がん家系」という言葉を使うが、実際にはどれだけ遺伝の影響があるのか。国立がん研究センター中央病院遺伝子診療部門長の吉田輝彦氏が解説する。

「そもそもがんになる主な原因は、老化によりDNAに傷がつく加齢要因と、親から原因遺伝子の変異を受け継ぐ遺伝要因などです。がんになる遺伝子変異を親から受け継いでいると生活習慣や年齢にかかわらず、がんを発症することがあります。全患者のうち、こうした遺伝要因でがんになるのは5%程度と言われています」

 わずか5%、とあなどってはいけない。注意すべきは遺伝しやすいがんと、そうではないがんがあることだ。

「遺伝しやすいがんの代表は、全大腸がんの約5%を占める『遺伝性大腸がん』です。『MSH2』や『MLH1』などの遺伝子の変異を親から受け継いでいると、どれほど生活環境がよくて健康でも、80歳までに82%の人が大腸がんを患うという米国のデータがあります。同様に、乳がんや前立腺がんなども遺伝性のがんとしてよく知られている」(吉田氏)

 とくに前立腺がんは遺伝要因が強いと言われる。父親が前立腺がんだった場合、子の発症リスクは1.65~3.77倍、兄弟の場合は2.57~3倍あり、家族の既往歴は前立腺がんの重要なリスクファクターとなっている。

 前立腺がんは初期段階なら自覚症状がほとんどなく、がん細胞が膀胱や尿道を圧迫して排尿に障害が出るなど自覚症状が出た段階では、約50%の人がすでに骨やリンパ節に転移してしまっていることが多い。転移前のステージ3なら5年生存率は90%以上と言われているので、家族が前立腺がんを罹患しているなら、早めに検査を受けることが推奨される。

 逆に遺伝リスクが少ないとされるがんの代表は、肺がんと胃がん、肝がんだ。肺がんは喫煙、胃がんはピロリ菌感染、肝がんはアルコールやウイルス感染といった環境要因の影響が大きいとされる。

 そこで気になるのは、自分が遺伝しやすい「がん家系」に属するかどうかだろう。それを判別するには主に「3つのポイント」がある。

「父方もしくは母方の血縁者において、【1】どちらかの血縁者に集中して同じ種類のがんが多発する。【2】若年でがんを発症した人がいる。【3】男性の乳がんなど、めずらしいがんを発症した人がいる。以上のいずれかが当てはまると、がん家系が疑われます」(吉田氏)

※週刊ポスト2017年12月1日号

最終更新:11/20(月) 16:00
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