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「死後離婚」―女たちの 最終 “独立宣言”

2017/11/20(月) 15:00配信

nippon.com

夫の死後に妻が姻族関係を法的に解消する「死後離婚」が増えている。嫁として「家に入る」という意識の希薄化や、義理の親の介護まで担いたくないと考える女性たちの決断がその背景にある。

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旦木 瑞穂 TANGI Mizuho

フリーライター、デザイナー。印刷会社や広告代理店でグラフィックデザイナー、アートディレクターなどを務め、2015年に独立。グルメやイベント、葬儀や介護など終活に関する記事の執筆、パンフレットやガイドブックなどの企画編集、グラフィックデザイン、イラスト制作などを行なう。月刊『仏事』(鎌倉新書)、「エルダリープレス」(高齢者住宅新聞社)などで連載中。

「姻族関係終了届」の提出のみで成立

今、日本で「死後離婚」が増えている。本来離婚は互いの同意なくしては成立しないが、死後は別である。配偶者の死後に、どうしても配偶者の両親、兄弟姉妹などとの関係を断ちたい場合は、「姻族関係終了届」という書類を役所の戸籍課や市民課に提出することで、法的に関係を解消することができる。

本人だと確認できる書類と、配偶者の死亡を証明する戸籍謄本などを持参し、「姻族関係終了届」に自分の氏名、住所、本籍、死亡した配偶者の名前を記載し、押印するだけで手続きは完了。誰の同意も許可も必要ない。提出期限もなく、配偶者が亡くなった後であればいつでも出せる。親族側に拒否する権利はなく、通知もされない。

このように、簡単な手続きで「死後離婚」は公的に成立する。しかし、「死後離婚」が増加してきたのはここ数年のことだ。それまでは「死後離婚」という言葉もなく、「姻族関係終了届」は、役所の戸籍課の人間ですら知らないほどマイナーな存在だった。

法務省の戸籍統計によると、同届の提出数は、2013年度に2167件となるまでは微増傾向だった。しかし、14年度に2202件となって以降、15年度には2783件と600件近く増加。さらに16年度には4032件と、前年度に比べ約1.5倍に。13年度から3年で2倍近くに増えている。しかも、提出者の大半は女性とされる。

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最終更新:2017/11/20(月) 15:00
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