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ホンダがついに目覚めたぞ!──新型シビックが「買いだ」と思う理由

11/20(月) 21:32配信

GQ JAPAN

シビックが日本に帰ってきた! 10代目に進化した新型ホンダ シビックに、モータージャーナリストの吉田 匠が試乗した。

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■シビックのイメージ

アリゾナあたりの砂漠の道を、砂塵を蹴立てて黒いシビックが走っていく。やがて「Can you hear me~」で始まる挿入歌が流れ、最後は「Go, Vantage Point」のロゴで終わる、グルーヴ感に満ちたCM。オフロード走行がウリのクルマでもないのに、埃を被って汚れまくったボディを平気で映し出す自動車CMなんて、カッコよすぎるじゃないか!

テレビに流れるあのCMを観たとき、新しいシビックに乗ってみたいと、僕は本気で思った。

あのCMから連想したのは、新型シビックが、乗り手を遠くに駆り立ててくれる、そんな乗り味を持ったクルマではないか、というイメージだった。で、つい最近、アリゾナではなく御殿場をベースにした試乗会で、そのシビックを走らせる機会を得た。そうしたらそれは、僕が想像したとおりのクルマだった。

僕が自動車専門誌の編集記者としてモータージャーナリズムの世界に足を踏み入れた翌年の1972年、初代シビックがデビューした。それは当時としては異例に垢抜けたデザインの、ヨーロッパナイズされた内外装を持つ、日本車で初の小型ハッチバックで、たちまち当時のクルマ好きを魅了した。

けれど弱点もあった。四輪車の生産を始めて10年に満たないホンダの製品だったゆえか、ボディ剛性はさほど高くなかったし、サスペンションのストロークも限られていて、正直あまり快適とはいえないクルマだったのだ。

だが、シビックはその後もユニークなデザインを提示しつつモデルチェンジを重ね、ホンダを代表するワールドカーとして世界中に送り出されていった。結果、生産拠点も海外に移ったりして、近年はタイプRのみがイギリスから輸入されるなど、本国日本とは縁遠いクルマになった観があった。

ところが今年、今や10代目となったシビックが日本市場に帰ってきた。

■日本車としてはかなりレアな感触

日本で発売されたのは、イギリス工場製のハッチバックとタイプR、それに日本の寄居工場製のセダンの3モデルだが、いずれも開発とデザインを主導したのは日本の本田技術研究所だ。そういう意味では、生産地こそ海外にも分散しているが、純粋の日本車である。

御殿場ベースの試乗会に持ち込まれたのはタイプRを除くモデル、ハッチバックとセダンで、いずれもエンジンは1.5リッター直4ターボを搭載、トランスミッションはハッチバックがCVTと6段MT、セダンはCVTのみで、もちろん前輪を駆動する。

最初に乗ったのはセダンだった。そのボディ、基本デザインはハッチバックと同一ながら、ルーフ後半がよりなだらかなラインを描いて後方まで流れ、リアオーバーハングと全長がハッチバックより130mm長くなる。結果、ボディサイズは4650×1800×1415mmとCセグメントとしてはやや大柄だが、車重は1300kgとそのわりに軽い。

室内の広さは基本的にハッチバックと変わらないが、リアシートにはかなり余裕のあるレッグルームと、不足のないヘッドルームが確保されている。トランクルームはハッチバックでも充分な容量が確保されているが、セダンはさらに一段と大きい。

試乗コースは高速道路とワインディングがあったが、セダンでは前者、東名と新東名を走ってみた。1.5リッター直4ターボエンジンは、セダンにはレギュラーガソリン仕様が積まれ、173psと22.4kgmを発生。CVTはATに近い操作感を意図したもので、トルコンを備え、7段マニュアルモードも装備している。

東名下り線への合流地点でスロットルを踏み込むと、充分なスピードの伸びを感じさせながら、スムーズに追い越し車線に滑り込んだ。メーターの100km/hでは、エンジンはスロットル開度によっては1700rpm程度で回っているにすぎないから、クルージングは静かなものだ。さらにそこから踏み込んでも、胸の透く勢いで加速していく。

パワートレーンは必要にして充分以上の実力を持っていると実感できたが、それ以上に感激させられたのが、シャシーの感触だった。まずボディが骨太な剛性を実感させるのに加えて、脚も素晴らしくスムーズに作動しているのを感じる。サスペンションはフロントがストラット、リアには先代のトーショナルビームに替えて完全独立のマルチリンクを奢っているが、その効果が見事に表れている印象なのだ。

骨太にしてスムーズ、しかもフラットで快適な乗り心地は、日本車としてはかなりレアな感触だといえる。それに加えて、ステアリングの落ち着きもいいから、カタログのコピーにあるように、アウトバーンでは200km/hクルージングも充分可能だろう。

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最終更新:11/21(火) 19:33
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