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鈴木誠也、ケガ離脱後の大変身!?練習場に響く異様な打撃音が……。

11/20(月) 7:01配信

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 人気のない屋内練習場に突如、マシン音とともに、ガツンという打球音が響いた。

 紅葉が色づく宮島を望む大野練習場は肌寒さを増し、静けさが漂っている。日南秋季キャンプ不帯同となった残留組は、山口岩国市にある由宇(ゆう)練習場にいる。音の主は、アップシューズを履いて、1人バットを握って黙々とマシンに向き合う、鈴木誠也だった。

 鈴木はシーズン終盤の8月23日DeNA戦で右足首を痛め、「右脛骨内果剥離骨折」で戦線を離脱した。連覇の瞬間も、クライマックスシリーズ敗退のときも、グラウンドにはいなかった。

 治療とリハビリは順調に進んでおり、今ではティー打撃やマシン打撃をできるまでに回復した。

 「ここまで予定通りです」と苫米地鉄人トレーナーはうなずく。

 だが、1歩1歩復活への階段を上がっていく速度に反し、鈴木の内面は猛スピードで変貌を遂げようとしていた。

鈴木「ずっと何か違うと思っていた」

 まず、打撃フォームが今季のそれとはまったく異なる。

 右肘を上げたテークバックから、左足をその場で上げて踏み込むシンプルな形に変わっている。奇しくも負傷離脱した直前の打席で得ていたという好感覚すら、捨てている。

 「ずっと何か違うと思っていた。何だろう、何だろうと考えていくうちに、こうしたらいいんじゃないかと思った」

 マシンから放たれる球を「ガツン」と大きく響かせるほどの力強さがありながら、軸がぶれない。構えたときの頭の位置がほとんど動かないことが、ブレの少なさを物語っている。

「本当、野球が好きですね」とトレーナーも苦笑。

 怪我による長期離脱が、大きく変わるチャンスを与えた。

 手術後、練習メニューは制限され、時間を持て余す日々があった。そこでさまざまな打者の打撃映像をチェックし、理想を求めた。

 リハビリの段階が上がって打撃練習を再開できるようになっても、フォームの追求は終わらなかった。

 午前中の打撃練習を終え、午後のトレーニング中にヒントが閃けば、急きょバットを握り、再びマシンと対峙することもある。

 リハビリに付き添う苫米地トレーナーは「本当、野球が好きですね」と笑いながら「(秋季キャンプを行う)日南の選手よりも振っているかもしれない」と驚くほど。日南のキャンプにも、由宇での全体練習にも参加できない。そんな孤独な環境がより鈴木を練習に駆り立てているようにすら感じる。

 それこそ、打撃フォーム以上の鈴木の変貌かもしれない。

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最終更新:11/20(月) 7:01
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