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初任給から18%増で満足ですか? 安易に「出世をあきらめた30歳」を待つ試練

11/21(火) 17:12配信

NIKKEI STYLE

 給与はたいして増えないし、責任は増えるばかり。だから言われたことはするけれど、自分から何かする気はありません。そういう30代、40代を「育てて」しまう理由の一つに、会社の中の人事の仕組みがあります。その仕組みを理解した上で、あなたがそう育ってしまわないように、20代から気を付けておくべきことはなんでしょう。
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■たいして給与が増えなくなるタイミング

 会社に入った翌年、評価を受けて給与が増えて嬉しい思いをした人は多いことでしょう。でもその時、いくら給与が増えたか覚えているでしょうか。

 平均昇給額の統計データは1980年代に1万2000円前後でしたが、1990年台以降、5000円前後に減っています。昇給額は減っていますが、実はそのインパクトは、昇給額の比較だけでは見えてきません。

 なぜなら、1980年代には、平均給与額そのものが低かったからです。1980年の昇給額に対する基準給与は約17万1000円。初任給平均は11万4500円でした。しかし2016年の場合、昇給額に対する基準給与は約30万円。初任給平均は20万5900円です。

 つまり1990年であれば、初任給11万円ちょっとに対して約1万2000円と、およそ11%も昇給していたのですが、2016年においては、初任給20万円ちょっとに対して約5000円と、およそ3%しか昇給しなくなっているのです。

 この状態をもう少しわかりやすく示すために、各年度で大卒で新入社員となった人たちが、30才までにどれだけ給与が増えたかを計算してみました。その結果、1980年に入社した人は、8年後の30才の時、初任給に比べて給与は177%=1.77倍に増えていることがわかりました。しかし2000年に入社した人の増加率はわずか118%=1.18倍です。

 もちろん、人事の仕組みとしては、このような昇給の仕組み以外に給与が増える仕組みを用意しています。それが昇進による昇給(昇格昇給といいます)です。

 たとえば平社員から主任に昇進したら2万円昇給します。主任から係長に昇進したらさらに2万円昇給。そして課長に昇進したら8万円昇給しますよ、というような仕組みが多くの会社に用意されています。

 ただし、平社員のままだったり、主任のままだと、毎年給与は5000円しか増えないことが増えました。年功が薄れてしまって、昇進しないと昇給しないからです。一方、昇進のハードルがどんどん上がっているということは以前の記事「昇給より昇格 課長になれば100万円の年収アップ」にも書きました。

 だから30才を過ぎた頃には、出世のための努力に疲れてしまった人の中に、「給与も対して増えないし、これくらいでいいや」という気持ちが芽生え始めてしまうのです。

努力しても報われなければ、努力しなくなる。そのことを心理学で、学習性無力感、といいます。あきらめる30代が生まれる理由はまさにそこにあります。

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最終更新:11/21(火) 17:12
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