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中央大学の「看板」 法学部が移転する3つの理由〈AERA〉

11/24(金) 7:00配信

AERA dot.

 郊外のキャンパスが都心に移動する「都心回帰」が顕著だ。中央大学の「看板」ともいえる法学部も、都心への移転を表明している。その理由は何なのか、中央大学の酒井正三郎総長・学長に聞いた。

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 2015年の創立130周年を機に10年間の事業計画を策定しました。この柱の一つに法学部の都心展開をすえています。

 その背景、理由は3点が挙げられます。一つは、教授陣の効率的派遣です。本校の法科大学院は市ヶ谷キャンパス(新宿区)にあり、法学部は八王子市内の多摩キャンパスにあります。教員は両キャンパス間の移動に大きな時間的制約を受けています。司法試験合格者数の多い5大ロースクール(法科大学院)=中央、東京、京都、早稲田、慶應=のうち、法学部と法科大学院のキャンパスが都心と郊外に離れているのは本校のみ。これを一体的に配置させる必要があるという判断です。

 もう一つは法曹界の第一線で活躍するOB・OGとの交流促進です。激務の合間に学生にきめ細やかな指導をしてくれていますが、都心の職場から多摩キャンパスを訪ねるのは大変です。この現状を改善したいのです。

 三つめは、法科大学院進学時の流出防止です。連日深夜まで司法試験学習に打ち込む学生の多くは、多摩キャンパス近隣に住んでいます。このため、多くの学生が大学院進学に伴い転居を余儀なくされるのですが、その際、相当な数の学生が他校に転出してしまう。本校法科大学院修了生の17年の司法試験合格者は119人ですが、10月の合格祝賀会の招待者数(法学部に在籍履歴のある人を含む)は196人。つまり、他校の法科大学院に約80人も転出していることになります。転出理由はさまざまですが、まずは「引っ越しを機に」という要因を排するのが有効だと考えています。

 移転はしても、決して多摩キャンパスをないがしろにする気はありません。留学生用の寮を学内に設置し、本格的なグローバルキャンパスを目指す計画もあります。ただ、公認会計士や国家公務員の総合職の資格試験合格率アップを図るうえでも、都心に近いほうが有利な面は否めません。「23区の定員抑制」を考慮せざるを得ない状況ですが、他の複数学部の都心移転は今後も模索していきます。

 法学部移転には、多摩キャンパス全体の求心力低下を懸念する声も出ています。対策として法学部に比肩するレベルの高い新学部の設置を検討しています。定員を絞った形で国際系の学部の募集を数年内に案内できるようにしたいと考えています。(談)(編集部・渡辺豪)

※AERA 2017年11月27日号

最終更新:11/24(金) 11:01
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