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「不老不死」求めた秦の始皇帝、贅沢三昧で寿命を縮めた!? 現代の医師が診断〈dot.〉

11/23(木) 7:00配信

AERA dot.

『戦国武将を診る』などの著書をもつ日本大学医学部・早川智教授は、歴史上の偉人たちがどのような病気を抱え、それによってどのように歴史が形づくられたことについて、独自の視点で分析。医療誌「メディカル朝日」で連載していた「歴史上の人物を診る」から、秦の始皇帝を診断する。

*  *  *
【秦の始皇帝 (B.C.259~B.C.210)】

 歴史上、最初に現代の中国の版図を統一したのは秦の王だった政、のちの始皇帝である。法治と中央集権による国力の充実に努め、他の六つの列強(楚・斉・燕・趙・魏・韓)を滅ぼすと、B.C.221年に史上初めて皇帝を名乗った。

 書物の焼却や批判的な儒者の抹殺(焚書坑儒)を行うなど稀代の暴君であった一方、中央集権と人材登用による官僚支配、度量衡の統一や万里の長城の建設など史上最も英邁な皇帝の一人ともされている。

 しかし、帝位にあること10年、最高の権力者をもってしても、老いを止めることはできなかった。

 そこで皇帝は、神仙の術を行う方士を全土に派遣し不老不死の薬を求めさせる。その一人、信頼厚い徐福は東方にある伝説の蓬莱国に3000人の童男童女と百工(技術者)を従え、五穀の種を持って船出した。しかし、二度と咸陽の都に帰ってくることはなかった。徐福の帰りを待ちわびた始皇帝は、他の方士が献上した水銀の霊薬を飲んでいたがB.C.210年49歳で没する。

■不老不死の薬

 リキュールや化粧品、ジュースの商品名として聞き覚えのあるエリクシール(elixir)、ネクター(nectar)、これらはもともと不老不死の霊薬を指す呼び名である。「賢者の石」もその一つ。西洋で錬金術師が探求した霊薬、古代中国では不老不死の仙人になれるという薬「仙丹」を求め、錬丹術が研究された。「賢者の石」はハリー・ポッターも見つけたが、「仙丹」は出来たのだろうか。

 ヒトの寿命の限界は120歳と言われている。さすがにこれは難しいが、現在の医療・衛生水準ならば100歳老人になることは不可能ではない。近年の疫学調査では、長寿者に共通する特徴は、(1)低体温、(2)低インスリン値、(3)高DHEA値だそうである。

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最終更新:11/23(木) 13:31
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