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「日馬富士」暴行で見えた「貴乃花」理事長選の金星

11/22(水) 6:02配信

デイリー新潮

 角界は蜂の巣をつついたような大騒ぎである。14日、スポーツニッポンが1面で伊勢ヶ濱部屋所属の横綱・日馬富士(33)の暴行疑惑を報じたのだ。

 概要を説明すると、先月26日、鳥取で行われた巡業後、貴乃花部屋所属の貴ノ岩(27)らモンゴル出身の力士らと日馬富士が宴会をしていたところ、酔っぱらった貴ノ岩がくだを巻き、横綱が激怒。ビール瓶で貴ノ岩の頭部を殴打したのだ。結果、頭蓋底骨折や髄液漏などの疑いで全治2週間の診断が下り、貴ノ岩は12日から始まった九州場所を初日から休場するという事態に陥った。

 相撲担当記者が解説する。

「報道を重く見た相撲協会は八角理事長らが集まり、対応を協議。被害届も提出されており、刑事事件に発展することになりそうです。2010年、当時の横綱だった朝青龍が暴力事件を起こした際は、結果的に不起訴だったにも拘らず、引退に追い込まれました。日馬富士も同じ道をたどるのでは、と見られています」

 相撲界を揺るがす大スキャンダルに発展しかねないが、その一方で、

「どうにもおかしな話です」

 と、疑問を呈するのは相撲に詳しいジャーナリスト。

「先月末の事件であるのに、発覚したのが2週間以上経ってから。診断書についても初日から休場しているのに、翌日の13日に相撲協会に提出されており、明らかに不自然なのです」

“オレ預かり”

 さる協会関係者が言う。

「貴乃花親方はスポニチとは関係が深く、かつて評論家として解説をしていました。今回の報道は貴乃花サイドがリークしたと考えるのが自然でしょう」

 九州場所が始まっていたタイミングでもあり、結果的に大きく報道された。

「実は、先月の飲み会直後に貴ノ岩が日馬富士に対して、謝罪しています。対する横綱も“やりすぎて悪かった”と和解した。ところが、貴乃花部屋は伝統的に他の部屋の力士との飲み会に参加することを禁じており、それを聞いた貴乃花は貴ノ岩を叱りつけ、暴行事件と共に、“この案件はオレ預かりにする”と話したのです。そうした対応をとった背景に、来春予定されている理事長選挙が関係していることは間違いありません」(同)

 16年3月に行われた前回理事長選では再選を目指す八角親方と貴乃花親方が立候補し、6対2で八角親方が勝利している。この時、貴乃花親方に投票した1人が他ならぬ、日馬富士の師匠・伊勢ヶ濱親方だった。

「伊勢ヶ濱は同年の自身の理事選の際に、貴乃花から票を回してもらった恩があり、理事長選では貴乃花に投票しました。ですが、元々は八角サイドの人間。次の理事長選では八角理事長に投票すると目されていました。今回の事件によって、伊勢ヶ濱は理事から降格させられる可能性が高い。つまり、八角票が一つ減る計算になります」(同)

 先の記者が補足する。

「次期理事長選について貴乃花は出馬の態度を明らかにしていませんが、この不祥事が今後、八角理事長の責任問題になるのは必至。そうなれば、貴乃花理事長の芽が出てくるというわけなんです」

 貴乃花親方にとって、ごっつぁんの金星になるのか否か。トップの椅子を巡る権力闘争劇の幕開けである。

「週刊新潮」2017年11月23日号 掲載

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最終更新:11/22(水) 12:52
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