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映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の時を操るクルマ、「デロリアン」が大減速した時期

2017/11/23(木) 17:30配信

エスクァイア

 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の冒頭からおよそ20分ほどのところ…、マーティ(ン)・マクフライがこの四輪の付いた未来的な金属の塊と絡むシーン、皆さん覚えていますか。
 
 次元転移装置を搭載したこのクルマが、湯気とともにトレーラーからバックで出てくるシーンになります。マーティはボサボサ髪のドク・ブラウンの方を向いて、「待ってよドク。デロリアンをタイムマシンに改造したの?」と尋ねます。 
 
 このクルマ「デロリアン DMC-12」は、同映画の三部作を通してマーティの鋼の馬となって、2015年の未来からはるか昔の西部開拓時代まで時を超えて活躍します。
 
 しかしながら、映画の中では主役級の役割を果たした「DMC-12」でしたが、現実世界ではそこまでヒーロー的な存在ではありません。実際は映画とはかけ離れた、波乱に満ちた運命を辿ってきたのです。
 
 そして公開から30年が経った現在、デロリアンは再び時を越えようとしています。
 
 改めて過去を振り返りながらも、人類の交通手段の未来を探ろうとしているようです。これは「DMC-12」が残したヘリテージ(遺産)をめぐる奇妙な物語なのです。

【「デロリアン DMC-12」の魅力とは?】デロリアンの輝かしい構想

 The DeLorean Motor Company(DMC)は設立当初から大きな問題に直面しました。予算超過や機械的欠陥、不十分な品質管理などにより、「DMC-12」の本格的な生産体制が1981年まで整わなかったのです。さらに悪いことに、プロトタイプ版の設計を改良したことで、一台あたりの生産コストが500ポンドも増加。こういったコスト超過から、同車の価格は2万5000ドルと当初の予定よりはるかに高額になってしまいました。 
 
 生産に遅れが生じたことで、デロリアン氏は「DMC-12」の市場投入を急がざるを得なくなり、計画されていた厳格な性能テストはスキップされることになりました。そして、エンジニアがV6エンジンの性能不足に気づいたときにはすでに遅しでした。このエンジンでは増加した重量に対処できず、パフォーマンスが平凡なものになってしまったのです。これでは、この車の先進的なデザインにはマッチしないであろうことは明白なわけだったのです。

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最終更新:2017/11/23(木) 17:30
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