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熱が38度以下でも注意 「隠れインフルエンザ」かも

11/28(火) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 2017年はインフルエンザの流行が例年より早く、小学校などではすでに学級閉鎖が相次いでいる。自身や家族がかかってしまったという人もいるだろう。

 インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症。ウイルスにはA型、B型、C型の3種類があり、このうち感染力が強いのがA型とB型。特にA型は大流行しやすく、2009年に大流行した、いわゆる「新型インフルエンザ」もA型だ。ウイルスは常に変異しているため、同じA型でも毎年違ったウイルス株が流行する。だから同じ人が何度もかかるし、ワクチン接種もその年ごとに必要となる。

 感染の経路は大きく2つ。くしゃみや咳からうつる飛沫感染と、物を触ってうつる接触感染だ。「感染した人が咳やくしゃみをすると、ウイルスを含む飛沫が2mほど飛ぶ。これを近くにいる人が吸い込むと、ウイルスが鼻や喉の粘膜に付着して感染する。インフルエンザにかかったらマスクをつけ、しっかり手洗いをすることが人にうつさないためのエチケット」と、国立がん研究センター中央病院感染症部の岩田敏(さとし)部長はいう。

 典型的な症状は、急に38℃以上の高熱が出て、喉や体の節々が痛み、ゾクゾク寒気がするというもの。風邪よりも症状の現れ方が急激で、症状が重いのが特徴だが、意外なことに軽い症状のインフルエンザも少なくないという。「微熱や鼻水が出る程度でも、検査をしてみたらインフルエンザ陽性だったという例もある。しかし軽症でも周囲の人にうつしてしまうリスクはあるので、咳エチケットを心がけてほしい」(岩田部長)。こうした「隠れインフルエンザ」の存在は迅速診断検査の普及により、わかってきたことだという。

 同じウイルスに感染しても、体がどう反応するかは人により異なる。「若い人や体力のある人は高熱や節々の痛みなどの激しい症状が現れやすいが、高齢者や体力のない人では強い症状があまり出てこないことも多い」と千葉大学医学部附属病院和漢診療科の並木隆雄教授は話す。

 そもそも発熱や痛みなどの症状は、体の免疫機構が侵入したウイルスから体を守ろうとする生体防御反応の現れ。つまり、治す力が強い人ほど、症状も激しくなる傾向がある。「具合が悪いときは仕事に出ないで、家で安静にすることが大切」と岩田部長はいう。

 次回の記事では、インフルエンザの予防について解説する。

岩田敏さん 国立がん研究センター中央病院感染症部部長、慶應義塾大学医学部特任教授。慶應義塾大学医学部を卒業後、同大小児科学教室に入局。国立病院機構東京医療センター小児科医長、慶應義塾大学医学部感染制御センター教授などを経て、2017年4月から現職。

並木隆雄さん 千葉大学医学部附属病院和漢診療科教授。千葉大学医学部卒業。帝京大学附属市原病院心臓血管センター講師、千葉県立東金病院内科部長などを経て、2012年から現職。日本循環器学会専門医、日本東洋医学会認定漢方専門医。

(ライター 佐田節子、日経メディカル 古川湧 構成:日経ヘルス 羽田光)
[日経ヘルス2017年12月号の記事を再構成]

最終更新:11/28(火) 7:47
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