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中国の宇宙ステーションが「もうすぐ地球に落ちてくる」

2017/11/28(火) 7:56配信

WIRED.jp

どこに落ちるか誰にもわからない

再突入フットプリントと呼ばれる、デブリが落下する確率が高い地理的区域には、人に被害が出る大きさのデブリがすべて織り込まれる。地上から誘導して宇宙船を下降させる「制御下の再突入」は通常、このフットプリントが小さくなり、人がいるところから遠く離れた場所に落下する。

落下地として特に人気の場所には、「太洋到達不能極」(Oceanic Pole of Inaccessibility)という、このうえない名前がついている、地球上でほかのどこよりも陸地から遠い南太平洋の一地点だ。

しかし、天宮1号の再突入は制御下ではないため、どこに落下するのかは誰にもわからない。それに、たとえ再突入フットプリントのサイズを計算する人が出たとしても、サイズがわかることと、落ちる位置を把握することはまったく違う。

リスクアナリストにわかっているのは、中国の天宮1号が現在、42.8度の軌道傾斜で地球を周回しているということだ。これは「北緯42.8度から南緯42.8度の間のどこかに落下する可能性がある」ことを示すが、経度はわからないとウィーヴァーは語る。天宮1号は地球のこの範囲全域の上空を通過しており、「この範囲内の人はすべてリスクがあります」と同氏は語る。

恐ろしそうに聞こえる話だが、実はそれほどでもない。小学校時代を思い出していただきたいのだが、地球は約4分の3が海に覆われている。つまり落ちてきたデブリは、約75パーセントの確率で海洋に落下する。

専門家は心配していない?

海ならば、人が死んだり傷ついたりする可能性は基本的にゼロだ(シリコンヴァレーの資産家たちが、国際水域に大型の海上住居施設を建設し、永続的な準独立国家を建設しようとする動きもあるが、まだ実現はしていない)。

地球上の残りの4分の1を占める陸地も、人間が住んでいる場所はまばらで一様ではない。研究者たちは、人間が直面するリスクを算出するため、コロンビア大学による世界人口グリッド(Gridded Population of the World、GPW)シリーズのデータなどを使っている。GPWでは、手近な緯度と経度によるグリッドで地球全体を小分けにして、それぞれの人口と人口密度を推定している。

こうしたグリッドを使うことで、再突入するものが特定の緯度/経度に落下する可能性と、「ぶつかるリスクがある人数」を推定することができる。上のグラフは、NASAの軌道デブリプログラムオフィスの研究者がこの方法で作ったもので、各軌道傾斜の範囲内の平均人口密度がわかる(天宮1号の傾斜である42.8度を赤線で加えた)。

使われているデータセットは、2000年の人口と、2050年の人口予測モデルだ。このグラフによると、天宮1号の軌道下の平均人口密度は、1平方キロメートルあたり25人に満たない。

これは多くはない。それにこれまでの計算はどれも、かなり用心した想定がされている。危険なデブリの閾値が15ジュールだという話を覚えているだろうか。これだけのエネルギーで頭部に垂直に当たると深刻な被害になる恐れがあるが、ほかの部分だったらどうだろうか。おそらくは大丈夫だ。

また、上のNASAのグラフなどでは、上空から落ちてくる宇宙船から、人間が建物や自動車によって守られる可能性が無視されている。「数学的には、該当地域の全員がグリッド内に均等に分布し、屋外に立って見上げていることに相当します」と、エアロスペース・コーポレーションの軌道再突入デブリ研究センター(CORDS)を運営するテッド・ミュエルハウプトは説明する。

こうしたことから、いつどこに落ちるかはわからないが、天宮1号が空から降ってくるのをそこまで心配している専門家はいない。天宮1号は大きいかもしれないが、地球のほうがはるかに大きく、人が住んでいない陸と海はずっと広いのだ。

ROBBIE GONZALEZ

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最終更新:2017/11/28(火) 7:56
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