ここから本文です

月額定額のカフェ2店 コーヒー業界に第4の波なるか

2017/11/29(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 毎月定額を払うことで、音楽や動画などを好きなだけ楽しめるサブスクリプション型のサービスが増えている。エンターテインメントにとどまらず、洋服やバッグ、アクセサリーなどをレンタルできるサービスも登場。そして今、注目されているのがサブスク型のコーヒーショップだ。月に一定額の会費を支払うことで、店が指定するコーヒーなどを飲むことができるという。これまでポイント制や回数券などを用意したコーヒー店はあったが、サブスクリプションには、どんなメリットがあるのか。実際に店舗をたずねてみた。

■最新IT技術も駆使 人のつながりを作る

 自由が丘の「ALPHA BETA COFFEE CLUB」は、2017年4月にオープンしたサブスクリプション型カフェだ。店舗は東急東横線の自由が丘駅前にあるが、ビルの3階にあり、外からふらりと立ち寄る動線にはなっていない。この店舗を知っていなければ見つけることは難しい場所にある。

 月額7500円で、400~500円のコーヒーが飲み放題になる(アルコール類やジュースは除く)。RFIDチップを埋め込んだ会員カードの提示で、1オーダーにつき1杯が提供され、テークアウトもできる。

 月額会員であれば、店内に滞在中に何回でもコーヒーをオーダーできる。ビルのなかでありながら広めのテラスもある店内には、高速Wi-Fiや電源も完備されており、店内で仕事をする人も多いという。また店舗ではコーヒーのテイスティングやヨガなどのイベントも行っており、一部は会員割引なども用意されている。

 オーナーの大塚ケヴィンさんは、グーグルのアジア太平洋地域のマーケティング責任者だったという異色の経歴を持つ。

 ALPHA BETA COFFEE CLUBには前身がある。2014年設立のコーヒー豆を届ける通販サービス「ABC COFFEE CLUB」だ。全国の約30の契約ロースターで焙煎したシングルオリジン(単一品種)のこだわりのコーヒー豆を会員に月額1500円から2500円で配達する。グーグル勤務時代から新しいビジネスの立ち上げを模索していた大塚さんが初めて手掛けたビジネスで、口コミで人気を集めていた。その次のステップとして「会員たちと語り合える場がほしい」と考えたのが、サブスク型コーヒーショップ開店のきっかけだった。


 「通信販売では毎月豆へのこだわりや焙煎(ばいせん)方法について書いた小冊子をつけていたのですが、そういう話を直接できる場が欲しいと思ったのです」(大塚さん)

 店舗のオープンにあたり、米サンフランシスコでフードデリバリーサービス事業「Zestly」を立ち上げたアルヴィン・チャンさんがプロダクトマネジャー兼デザイナーとして参加。サービスの一環として、グーグルの本拠地であるカリフォルニアで広まっているサブスク型サービスの導入を決めた。

 サブスクリプションを取り入れたのは、できるだけ店に通ってもらい、リアルコミュニケーションをとりたいと考えたからだ。「コーヒーを通じて、人と人とのつながりをつくりたいと思っています」と大塚さん。狙い通り、会員たちはほぼ毎日1杯は飲みにやってきているという。

 グーグル出身者らしくIT技術を駆使し、さまざまなデータを収集・活用。コーヒーの味のバランスなどから、来場者のオーダー傾向までみている。データは気温や豆の状態など、日々変化するコーヒーの味をどのスタッフでも同等のレベルで提供するためなどに使われている。

1/2ページ

最終更新:2017/11/29(水) 7:47
NIKKEI STYLE

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフスタイルに知的な刺激を。
生活情報から仕事、家計管理まで幅広く掲載
トレンド情報や役立つノウハウも提供します
幅広い読者の知的関心にこたえます。