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校閲のプロが教える、「マジ書けない!」人のための文章の書き方

12/6(水) 20:10配信

PHP Online 衆知(THE21)

コツは「骨」から始めて「肉付け」すること

資料やビジネス文書を作るとき、必ず必要になるのが文章を書くことだ。どれだけ美しいデザインで見やすいレイアウトにしようとも、中身の文章が読みづらければ伝わらない。ベストセラー『マジ文章書けないんだけど』の著者・前田安正氏に、ビジネス文書作成に必須の文章力の磨き方についてうかがった。《取材・構成=塚田有香》

「地震が来たら火を消す」のどこがいけない?

企画書や報告書を作ったものの、読んだ人から「文章がわかりにくい」と言われてしまう……。その原因は、いくつかあります。
まずは、読み手の立場になって書かれていないこと。「自分がわかっていることは、相手もわかっているだろう」という思い込みのもとに書かれた文章は、正しく伝わりません。
たとえば、よく防災ポスターにこんな文章が書かれています。
「地震が来たら、火を消しましょう」
これは日本語として、何も間違っていません。でも、読み手はどう思うでしょうか。
「地震が来たら、どの段階で火を消せばいいのだろう。グラッと来た瞬間かな、それとも揺れが収まってから?」――そう戸惑う人が一定数いるはずです。これでは、メッセージが伝わったとは言えません。
その原因は、文章の書き手と読み手の間にある「前提のズレ」です。防災機関や専門家の間では、「地震が来たらその場で身の安全を確保し、いったん揺れが収まってから火を消す」が常識です。よって防災ポスターの作成者も、それを前提に文章を書いたと考えられます。
しかしそれは、一般の人にとっては常識ではありません。なかには「グラッときたら、すぐに火を消すんだな」と解釈する人もいるでしょう。その結果、実際に地震が来たとき、慌てて火を消しに行って、転倒したりやけどをしたりする人が出る危険性があります。
文章で正しく意図を伝えるには、「必要かつ十分な条件」を提示しなくてはいけません。わかりやすい文章を書くには、読み手の立場になり、「何を伝えれば十分か」を意識することが不可欠です。そのためには、「同じ言葉でも、自分と相手では定義が異なるかもしれない」ということを、常に頭に置きましょう。

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