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大物地面師が暗躍した「世田谷5億円詐取事件」の真相

12/8(金) 10:00配信

現代ビジネス

 土地を買うために大金を振り込んだのに、そのカネは闇に消えた……。東京で頻発する、にわかには信じられないほど奇怪な事件、それが「地面師事件」だ。APAホテルや積水ハウスも騙しとられ、今年、大きな注目を集めることになった。

 今回、東京・世田谷を舞台にまた新たな地面師事件が発覚した。ジャーナリストの森功氏が、その真相を追うルポ・第一弾――。

大物地面師も登場

 ギリギリのタイミングだった。12月2日土曜日の午後7時過ぎのことだ。町田警察署刑事課の捜査員が、東京都内の関係先を一斉捜索した。そのなかに意外な対象者がいたという。内田マイクの関係先だ。

 「北田と連絡がとれない。どこにいるのか」

 夫人から自らの家宅捜索を知らされた内田は焦り、心当たりのあるところへ片っ端から電話をかけたという。それが瞬く間に広がり、町田署が手掛ける事件にも内田がかかわっているのか、という噂が広まった。

 地面師のあいだでは「町田の事件」と呼ばれるこの件。町田署は警視庁捜査2課と合同で、いよいよ本格捜査に踏み切った。すでに4人が逮捕されているという。おまけに家宅捜索の対象とされた内田マイクは、都内で暗躍する詐欺集団の中でも、頂点に立つ大物地面師であり、斯界の有名人である。

 2年前の2015年11月、杉並区内の駐車場オーナーになりすまして土地を売却、2億5000万円を詐取した事件で逮捕・起訴された。17年1月には1審の東京地裁で懲役7年の実刑判決が下ったが、当人は控訴して現在は、保釈中の身だ。

 そんな大物地面師が焦ったという町田の事件。この数年、立て続けに起きている不動産詐欺の中でも、目下、警視庁が本腰を入れている事件として、関係者の注目を集めてきた。

 港区赤坂の地主になりすまし、ホテルチェーン「アパグループ」から12億6000万円を騙しとった11月29日の地面師詐欺摘発から間髪を入れず、当局が切り込んだといえる。年内に起訴まで持ち込める時間切れ間際に、その詐欺グループの主要メンバーを逮捕し、町田署に勾留している。

 本来、被疑者を逮捕すれば記者発表するのが常道だが、警視庁は事件をすぐに公表しなかった。そこには慎重にならざるをえない理由もあった。

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最終更新:12/15(金) 15:30
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