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酒は毒か薬か? 酒ジャーナリストが医師に聞いた

2017/12/14(木) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 酒は「毒」なのか、「薬」なのか……。がんや生活習慣病、うつ病などのリスクを高めることが広く知られている一方で、昔から「百薬の長」ともいわれている。果たしてどちらなのか。そして、どうすれば健康的に飲めるのか。書籍『酒好き医師が教える最高の飲み方』(日経BP社)を執筆した酒ジャーナリストの葉石かおりさんと、監修を担当した自治医科大学附属さいたま医療センターの浅部伸一さんに、都内のとある場所で話を伺った。その場所については記事末で明かそう。

■医師としては「酒は毒」と言わざるを得ない。だが……

――さまざまな調査の結果から、「酒は毒である」という話を聞きます。一方で、1日当たり日本酒なら1合程度、ビールなら中瓶1本という「適量」を守っていればそれほど心配ない、むしろカラダにいいという意見もあります。いったい、どちらが正しいのでしょうか?

浅部さん

 医師の立場からは、「酒は基本的に毒」と言わざるを得ません。全国12地域、14万人を対象とした「多目的コホート研究」でも、「時々飲酒(週1回未満)している人」と比べて、「1日当たり日本酒換算で2合」あるいは「同、3合以上飲む人」のがんの発症リスクは、それぞれ1.4倍、1.6倍になります。こうした大きな集団での観察研究による報告は、科学的には「エビデンスレベル」が高いといえるのです。

葉石さん

 ただ一方で、適量を飲んでいればカラダにいいという「Jカーブ効果」もありますよね。飲酒量を横軸に、死亡率を縦軸にとると、グラフの形が「J」の字になるという、酒好きの間では有名な話です。

浅部さん

 確かに、適量の飲酒が死亡率を下げるという報告もあります。ただ、それらの研究は、どちらかというと細胞実験や少人数での研究結果が目立っていて、その多くが「健康に良い可能性はある」が、まだ「議論のある」段階。つまり、エビデンスレベルが「やや弱い」ことは否めないんです。

葉石さん

 がーん。じゃあやっぱり「酒は毒」ですか……。それに、「適量」といっても、日本酒で1合、ビールで中瓶1本って、左党にとっては物足りないですよね…。

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最終更新:2017/12/14(木) 7:47
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