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恐竜に寄生した吸血ダニ、琥珀で発見、9900万年前

2017/12/14(木) 19:33配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

血を吸って通常の8倍に膨れた個体も、初の直接的な証拠

 マイケル・クライトンの小説『ジュラシック・パーク』で、琥珀の中の蚊に残っていた血から復活させられた恐竜たちがスクリーンにデビューしたのは1990年代だった。このときから、琥珀に閉じ込められた血を吸う寄生生物は私たちの想像力を掻き立ててきた。そしてついに、科学者たちが本物を発見した。羽毛恐竜から血を吸っていたダニが、ミャンマーで見つかった9900万年ほど前の琥珀の中に残されていたという論文が、12月12日付けの科学誌「Nature Communications」に発表された。

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 寄生生物のひとつは、恐竜のものと思われる羽毛に絡まった状態で琥珀に閉じ込められていた。もうひとつは、同じ地域の別の琥珀から発見されたが、体が通常の大きさの8倍にも膨れ上がっていた。これは、寄生生物が死んだときに血を吸っていたことを示している。

 この羽毛は、羽毛恐竜、あるいは、原始的な鳥類のグループとして知られるエナンティオルニス類のものであるとみられている。当時、たくさん生息していたこの鳥類のくちばしには歯があったのだが、6600万年ほど前、鳥類として生き残ることのできなかった非鳥類型恐竜と共に絶滅した。

「正確な宿主を特定することはできません」。英オックスフォード大学自然史博物館の古昆虫学者、リカルド・ペレス・デ・ラ・フエンテ氏はそう語る。「ですが、ミャンマーの琥珀の年代より2500万年も後に出現した現生の鳥類の仲間でないことは確かです」

 今回の発見は、太古の昔から動物がノミやシラミのような生物に寄生されてきたことを示す最も古い直接的証拠となる。この小さな厄介者は、樹脂の化石を作り出した白亜紀の森で、羽毛を持った動物たちを苦しめていたのだろう。

「野生動物のほとんどは寄生生物だらけです。脊椎動物が海から陸にあがる進化を遂げた早い段階から、おそらく吸血生物ははびこっていたのでしょう」と、中国、北京にある中国科学院古脊椎動物古人類学研究所の教授、ジンマイ・オコナー氏は言う。彼女の研究チームは、中国北東部で見つかった羽毛恐竜や鳥類の化石の中に一緒にいる寄生生物を探しているが、まだ見つかっていないという。

「羽毛は良好な状態で保存されているのですが、細かい点に関してはミャンマーで見つかっているものには及びません」

 カナダ、ロイヤル・サスカチュワン博物館で琥珀を研究するライアン・マッケラー氏も、ダニが白亜紀の生態学的な関係を示す有力な証拠になるとしている。「羽毛と一緒に保存されているダニから生態学的な関係が具体的にわかります。これまでは推測でしかありませんでした」

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