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イチローに批判的だった元マーリンズ社長を、大ファンに変えた3年間

2017/12/15(金) 11:33配信

webスポルティーバ

 今年10月にフロリダ・マーリンズのCEOに就任したデレク・ジーターが、イチローの来季の契約延長オプションを破棄した決断に関して、元マーリンズ球団社長のデビッド・サムソン氏の反応は非常に興味深いものだった。

【写真】とんでもないボールを変な打ち方でヒットにするイチロー

「もう球団の一員ではないので、コメントは控えさせていただきます」

 サムソン氏は思ったことを包み隠さず、ズバズバ言うことで有名な人物だ。そのサムソン氏がコメントをしないというのは、球団買収の際に「公の場で批判はしない」という条件が含まれていた可能性がある。だが、やはり沈黙というのは長くは続かない。サムソン氏はイチローについて、次のように語り始めた。

「メジャーリーグは30球団あります。そして、イチローがいる球団は必ずよくなるはずです。私はイチローの本当の姿を知っていますし、彼がチームに対してどのように貢献するのかということもわかります」

 特にサムソン氏が強調したのが、30球団のどこに行ったとしてもチームに利益をもたらすという点だ。そこまでイチローを信頼し、高く評価しているサムソン氏だが、10年前は今と正反対だった。2007年のシーズン中、シアトル・マリナーズがイチローと5年90億円の契約を更新した際、当時すでにマーリンズの球団社長に就いていたサムソン氏は地元のラジオ番組でこう痛烈に批判した。

「みんなもご存知の通り、これは世界の終わりに違いない。この契約を聞いたとき、もう言葉を失いました。最初は間違いだろうと。トップバッター(1番打者)にあれだけのお金を支払うなんて……。その金額に値する選手はひとりもいないはずだ。それにイチローはチームを優勝に導いていない。これは野球界を蔑(さげす)む馬鹿げた契約だ。こんなことをやっていたらメジャーは潰れてしまう。どう考えても、経営のミスとしか思えない」

 そう辛辣(しんらつ)な言葉を並べていたサムソン氏だが、イチローと過ごした3年間が彼の見方を大きく変えたのだ。

「イチローは毎日、常にプレーする準備が整っていました。4打席だろうが、1打席だろうが、9イニングであろうが、3球であろうが……どんな状況であっても、準備する姿勢に変わりはありませんでした。このことは、野球界において非常に稀だと思います。与えられる役割に対して、多くの選手が準備をしているわけではありません。でもイチローは、キャンプ初日だろうが、開幕日だろうが、シーズン中の150試合目だろうが、いつも変わらず準備をしていました。彼にとっては、毎日がチャンピオンシップだったのです。イチローはマーリンズの選手たちに、いかなるときも準備することの大切さを教えてくれたのです」

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最終更新:2017/12/15(金) 11:33
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