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香川真司、新体制では“水を得た魚”。決勝点アシストでドルトを再浮上へ導く

2017/12/17(日) 13:14配信

フットボールチャンネル

 ボルシア・ドルトムントは現地時間16日に行われたブンデスリーガ第17節の試合でホッフェンハイムと対戦し、2-1で勝利を収めた。香川真司は前節マインツ戦でのゴールに続いて、今節は終了間際の決勝点をアシスト。ペーター・シュテーガー監督の新体制で躍動を見せている。(取材・文:本田千尋【ドイツ】)


●不調の影を引きずるも、前半0-1は「想定内」

 試合を決定づけた。これで2戦連続だ。12月16日に行われたブンデスリーガ第17節、対TSGホッフェンハイム戦。ホームで行われる、前半戦の最終節である。

 前半、ボルシア・ドルトムントは自陣寄りに[4-5-1]の守備ブロックを形成。少し慎重に試合へ入った。ボールを奪えば即座に前へ運び、カウンターで敵のゴールに迫る。しかし、得点には至らず。逆に21分、縦パスを通されて右サイドを崩される。パヴェル・カデラベクの折り返しを、マルク・ウートに押し込まれて先制点を許す。

 BVBは、ブロックこそ敷いたが、ボールの取りどころがはっきりとしなかった。2戦連続で先発の香川真司が振り返る。

「やっぱり相手の技術も高かったですし、後ろからの繋ぎも上手かったので、どうしてもチームとしてどこで守備、取り切るかと言うのはなかなか定められなかったところはあった」

 組織としての完成度という意味では、ホッフェンハイムが上回った。ユリアン・ナーゲルスマン監督はチームを率いて2季目だが、ペーター・シュテーガー監督は、就任して、まだ2試合目だ。BVBのプレスは上手くハマらない。敵はワンボランチのフロリアン・グリリッチュが、この試合では安定したパフォーマンスを披露。しっかりとボールを繋いできた。

「前半、結構相手もアグレッシブに来てましたしね。こっちにもチャンスがあったなかで、先制点握られた中で、そしてホーム。やはりプレッシャーのある中でね、正直やっぱり難しさは。やっぱり精神的なところでも後手になったり、ミスを恐れるっていうのは今のチーム状況を考えたら、まぁ最低限それはしょうがないことですし、0-1で終えること、まぁ(前半の内にゴールを)取れたに越したことはないけど、これは別に想定内。今の状況を考えたらね」

 前節1.FSVマインツ05戦で勝利を収めたとは言え、長く続いた苦境の影を拭い去ることはできず、まだドルトムントは「精神的な」「難しさ」を引きずっていたようである。だが、そんな中でも、背番号23は、ゲームの行方をポジティブに捉えていた。前半を終えて、0-1のスコアは「想定内」だったという。

「なので、後半相手落ちた中で、ちょっとスペースが生まれたら、俺たちのほうが絶対に能力含めて高いものがあるんで。それを信じて。やっぱり1点取ることによってチームの雰囲気はさらに上がっていったのかなと思います」

●攻撃の中心として躍動する香川、2戦連続で決定的な仕事

 62分、アンドリー・ヤルモレンコが、ピエール=エメリク・オーバメヤンとのワンツーでペナルティエリア内に侵入する。ウクライナ代表FWからパスを受けた香川が、ステファン・ポシュに右足で引っ掛けられて、PKを獲得。これをオーバメヤンがきっちり決めて、同点に追い付く。

「あの時間、あの攻撃の形というか、あれに至るまでみんなが良い距離感でボールを繋げたから、オバにも入ってましたし、アンドレ(ヤルモレンコ)にも入って、良い距離感でみんなが、少ないタッチでできたので、僕が自然とゴール前に入って行けたので。それまで効果的な、流動的な(攻撃が)ね、やっぱりビハインドってこともあって、硬さもあって生まれなかったんですけど、あの攻撃だけ唯一連動性が生まれた中で、最後はPKでしたけど、(流動的な)攻撃になったので。ああいうところは、やっぱり引かれた相手だったりすると、崩していかないとなかなか崩れるもんじゃないから。やっぱりああいうところで、どこか人数掛けていかないとなかなか崩せないのかなとは思います」

「チームの雰囲気はさらに上がっていった」。70分にも、香川を中心に連動性を発揮して中央突破を図ったドルトムント。終盤に向かってホッフェンハイムの組織が崩れてくると、前半に比べれば、少し余裕を持ってボールを回せるようになった。

 そして、試合が1-1のまま終わるかに思われた89分。エリアの手前、ナディム・アミリの背後にポジションを取った香川は、マハムート・ダフートからパスを受けると、前を向いて緩やかなスルーパスを出す。右サイドからクリスティアン・プリシッチが走り込む。アメリカ代表FWは、ワンタッチでGKオリバー・バウマンをかわすと、左足インサイドでボールをゴールに押し込んだ。

「シュート打とうと思ったんですけど、自分のシュート力は分かってるんで、まぁ遠かったですし、相手も来てたんで。より可能性をあげるために、あそこ、本当に、なんだろ、最後の最後の判断といったら変ですけど、足元に出すか裏に出すか。その前に一回アンドレに出そうとしたのがあって、オバからリターンもらって。あれが繋がらなかったんですけど、ダイアゴナルで出すと相手はたぶんついてこれないんで、それが結果として生まれたことは良かったと思います」

 このプリシッチのゴールが決勝点となり、ドルトムントは1-2で逆転勝利。リーグ戦の順位は、暫定的にではあるが、CL出場圏内の3位に上がった。

 前節マインツ戦ではゴールで、そして今節ホッフェンハイム戦ではアシストで試合を決定づけた香川。

 シュテーガー新体制で、水を得た魚のように、躍動を始めている。

(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

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