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インテル、守備の“弱点”露呈し初黒星。長友佑都の再起用も課題克服への一案か

2017/12/17(日) 17:54配信

フットボールチャンネル

現地時間16日にセリエA第17節の試合が行われ、インテルはウディネーゼに1-3で敗戦。今シーズンの初黒星となった。守備の弱点を露呈してしまった形の敗戦であり、後半戦に向けた修正のため再び長友佑都に出番が回ってくる可能性もあるかもしれない。(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

●17戦目で初黒星。新進気鋭の指揮官に弱点突かれる

「こんな退縮が発生するとは、私自身予想だにしなかった」

 インテルがホームで1-3と敗れたウディネーゼ戦後の記者会見で、ルチャーノ・スパレッティ監督はうなだれた。速攻と堅い組織守備で盤石の強さを見せ、内容の悪い時でも終盤にはものにしていた彼らだが、17戦にして初めて訪れた敗戦は、そんな”強み”が見られなかった。

 前節はユーベ相手に敵地でドロー。「ユーベのようなパワーと意欲を養いたい」とスパレッティ監督は語っていたが、その矢先にこのような結果になった。力の上乗せどころか、今まで見せた強みさえ影を潜めた内容。一体、何が起こっていたのか。

 まずは相手が、インテルを攻略する上でどういうサッカーを展開したかに注目なければならない。マッシモ・オッド監督が途中就任して4戦目のウディネーゼは戦術上綿密な準備を図り、修正しながら貫徹した。

 まずは高い位置からのプレスで、インテルの低い位置からの組み立てを阻害すること。ボールホルダーを素早く囲み、ボールを奪う。そしてその後には、スピードと運動量を持ち味とする2トップでインテルのDFラインの裏を突いてきた。

 2トップを長身ながらスピードのあるケビン・ラザーニャと、ファンタジスタタイプのロドリゴ・デ・パウル。これまでの試合ならば裏に抜けたFWには、ミラン・シュクリニアルやミランダが着実にカバーリングをし、1対1でボールを奪っていたところ。ところがウディネーゼの2トップは、この彼らを振り切った。そして14分には、右のサイドアタックも突破も絡めて先取点。ラザーニャは期待通りにシュクリニアルのマークから逃れ、ダビデ・サントンを翻弄してエリア内に侵入したシルバン・ウィドマーのクロスをフリーで押し込んだ。

 しかもこれでは終わらない。オッド監督はアプローチにも手を加えた。「前からプレスを掛けようとしたがうまくはまらなかったので、あえてチーム全体の重心を下げた」。最終ラインの位置を10mほど下げ、敢えてインテルを前に出させる。そしてボールを奪えば、ウイングバックを使って積極的にサイドを攻め、一層前かがりになった相手の背後をついた。2点目はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を介し宣告されたPKによるものだったが、その要因となったダビデ・サントンのハンドはやはりサイドからの速攻で生まれている。その後も彼らは面白いようにインテルをカウンターで攻めたて、3点目まで奪った。

 かつてはラツィオやミランで活躍した元イタリア代表は、プロ監督となって3年目ながら戦術家のサッカー指導者として評価を得だしている。その面目躍如といったところだが、とにかく彼の戦術により、インテルの堅い組織守備もスピードで裏を突かれたら弱いということがさらけ出されたわけだ。

●研究されるインテル。長友にも再び出番到来か

 一方で、インテルの方にもやはり機能をしていなかったものはあった。スパレッティ監督いわく、それはやはり後方からのビルドアップ。「我々がこれまで違いを見せてきたのは繋ぎだった。これまでもよく機能しない試合はあったが、試合の終盤になれば盛り返してきた。しかしそれがなかった」と指揮官は語っていた。

 オッドの戦術によってそれが阻害されたのは前述の通り。しかしそれにも増して、ミスが多かった。最近の試合でトップ下として機能していたマルセロ・ブロゾビッチも、この日はミス連発。後半にその修正としてロベルト・ガリアルディーニが投入されるも、乱れたパスワークの回復はならなかった。

 守備では5バック気味に引く相手の守備の前では、サイドにもスペースが生まれない。イバン・ペリシッチやアントニオ・カンドレーバも、後方からのパス出しが阻害されたことでスピードアップが測れない。そしてチームとしての攻撃が硬直してしまえば、それを打開できる手が少ない弱点もこの試合で晒されてしまった。

 スパレッティ監督は69分に乱調のサントンを諦め、ヤン・カラモーを投入した。彼の優れたスピードと個人技で打開を図ろうという狙いだったが、まだ線の細い19歳には荷が重く、屈強なウディネーゼの3バックの網をこじ開けることはできなかった。

 スパレッティ監督もカラモーを機能させるため、ペリシッチとカンドレーバをウイングバックに張らせた3バックに変更し、相手の守備陣を横に広げてスペースを作ろうとした。しかしその通り機能しないばかりか、ただでさえ狙い撃ちにされていた後方のスペースをガラ空きにするというおまけも付いた。さらにエデルを投入し3トップにしても、ウディネーゼの守備の密集を助長させるだけになった。ビハインドを付けられた状況でリスクを掛けるのは仕方ないとはいえ、スパレッティには珍しい失策という印象も受けた。

 ナポリが勝ったため、インテルは守備から転落。戦術の厳しいセリエAでは、日程が一巡すれば対策が確立される。研究を尽くして臨んでくる相手を次々に破り、後半戦を戦い抜けるのか。それに向けての課題を改めて突きつけられた格好となった。

 さてこの日は出場のなかった長友佑都。ベンチメンバーに回った彼の名前が試合前にコールされると、スタンドからは歓声が上がっていた。12日のコッパ・イタリア5回戦ポルデノーネ戦で、試合を締めるPKを決めたことの余勢だろう。

 この日のインテルを見る限りでは、守備面におけるスピードとサイドのカバーを安定してこなしてきた彼に遠からず出番が回ってきそうな印象も受けた。その際に安定感の伴ったプレイで、チームを勝利に導けるかどうかが求められる。

(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

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