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「ながらスマホ自転車」で老女を死なせた女子大生「裁判と就活」どうなる?

2017/12/18(月) 6:00配信

デイリー新潮

交通事故に詳しい弁護士が徹底解説

 何より「どうやって運転していたんだ!?」と首を傾げた人は多かっただろう。12月7日、川崎市麻生区の大学2年の女子学生(20)がスマートフォンを操作しながら電動アシスト自転車を運転し、歩行中の女性(77)をはねて死亡させた事故のことだ。

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 例えば時事通信は14日、「女子大生を書類送検へ」と報じ、「神奈川県警麻生署が、重過失致死容疑で大学2年の女子学生(20)を年内にも書類送検する方針を固めた」と伝えた。そして記事中には、

《事故当時、学生は左手にスマホ、ハンドルに添えた右手に飲料カップを持ち、左耳にイヤホンをしていた》

 とある。多くのメディアも同様の報道を行って世論は驚愕した。冒頭の「どうやって運転していたんだ!?」という疑問の後、誰もが女子大生の常識を疑ったわけだ。当然だろう。

 人命という重い十字架を背負った女子大生だが、今後は刑事や民事の裁判で責任を追及される。交通事故に詳しい加茂隆康弁護士に、まず起訴や刑事裁判の展開について訊いた。

「県警が書類送検を行いましたので、横浜地検は起訴、不起訴を決定します。判断の要因は主に2つで、過失の大小と、結果の大小です。死亡事故でも加害者が被害者に高額の賠償金を払うなどして示談が成立したことなどから、不起訴というケースも稀にはあります。しかしながら今回の事故は、女子大生が自転車を安全に運転できる状態にあったとは言い難く、道路交通法第70条の安全運転義務違反にも該当し、過失は大です。そして77歳の女性の命も奪ったのですから、重大な結果を招いています。地検が起訴し、刑事裁判が開かれる可能性は非常に高いと言えるでしょう」

裁判官の心証は「極めて悪い」

 類似の事故を見てみよう。

 例えば福岡市では2008年、自転車と衝突したオートバイの男性(当時43)が他の車に轢かれて死亡した事故が起きている。自転車が信号のない交差点で左右を確認せず直進したのが原因で、自転車を運転していた当時20代の男性は重過失致死罪で起訴された。翌09年9月に福岡地裁は禁固1年・執行猶予3年(求刑禁固1年4カ月)の判決を下している。

「女子大生は両手にスマホとカップを持っていたのですから、率直に言って、裁判官の心証は極めて悪いはずです。被告が法廷でどのような形で反省を示し、遺族がどのような処罰感情を表明するかが焦点になると考えられますが、私は禁錮が1年半を超え、執行猶予も3年を超える重い判決が出ても、まったくおかしくないと思います」(加茂弁護士)

 さらに民事裁判がある。例えば都内では10年、自転車にはねられた女性(当時75)が死亡。自転車を運転していた40代の男性会社員に遺族が約1億600万円の損害賠償を求め、東京地裁は14年1月、4700万円の支払いを命じた。

 朝日新聞の報道によると、判決では女性の慰謝料や逸失利益を約4000万円と算定。さらに遺族2人への慰謝料として計300万円などが加えられたという。この事故は刑事事件の裁判も行われ、禁錮2年・執行猶予3年の判決が確定している。

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最終更新:2017/12/23(土) 12:56
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