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レポート:「地域メディアから考える地域社会」

2017/12/19(火) 12:51配信

オルタナ

武蔵大学社会学部メディア社会学部メディア社会学科松本ゼミはこのほど、「地方紙から考えるこれからの地域メディアと地域社会」をテーマにトークイベントを開いた。ゲストには、元河北新報社デジタル戦略委員会シニアアドバイザー、現メディアプロジェクト仙台代表理事佐藤和文さんを迎えた。(武蔵大学松本ゼミ支局=森 洋平・社会学部メディア社会学科3年)

かつて地方紙の休刊、廃刊が進んだアメリカでは地域に根付いた地方紙が廃刊となり、その地域に関する情報が希薄になり投票率の低下、行政の監視が曖昧になってしまい地域行政の汚職につながったことなど問題が生じた事例が存在する。

アメリカの事例だけに関わらず地域メディアというものが今後の日本の地域社会においては必要不可欠であり、地域の情報源の1つとして地方紙は大きな役割を担っている。

しかし、近年のデジタル化により新聞の発行部数の減少が問題となっており、地方紙の休刊や発行部数の大幅な減少が強いられている。そんな地域メディアの現状について今回はスポットが当てられた。

ゲストの佐藤さんは、河北新報社でデジタル化が進んだ90年代、2000年代にデジタル局長だった。この経験を踏まえながら、新聞のデジタル化、ネット進出が遅れていると問題提起した。

加えて退職した現在、仙台メディアプロジェクトとして活動する中で関わりを持つインターネットニュースメディア「TOHOKU360」と代表の漆田さんが仕掛け人となりインターネットサイト内で仙台市の出来事やニュースを様々なコンテンツを用いて発信するNPO法人「メディアージ」について紹介した。

TOHOKU360からみる可能性

佐藤さんが紹介した「TOHOKU360」は仙台を中心に活動をしている。2015年から、地域メディアとしてインターネットニュースを発信している。

記事を書いているのは、地域情報の発信に関心のある人々で、「通信員」と名付けられている。通信員は「東北ニューススクール」という講座を受けて記事制作のノウハウを学ぶ。講師は大手新聞社で働いた経験のある現役のジャーナリストだ。

TOHOKU360は通信員が主となりニュースを発信しているが、ニュースと言っても政治や時事情報では無い。自分の身の回りで起きた心動かされた出来事などのローカルニュースを重視している。

一つのニュースを作り上げる過程で、通信員会議が行われる。プロとアマの連携コミュニティーが自然と出来上がるそうだ。

「TOHOKU360」の活動は「ローカルの価値を掘り起こし既存のメディアにはない新たな地域メディアとしての可能性を生み出すのではないか」と佐藤さんは語った。

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最終更新:2017/12/19(火) 12:51
オルタナ

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