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浦和のACL制覇は“ハリル化”の成果?「ミシャ→堀」移行にみるチームの未来

2017/12/25(月) 19:32配信

footballista

西部謙司の戦術リストランテ Jリーグ編 第4回 「浦和レッズ」

海外サッカー月刊誌footballistaの名物連載『戦術リストランテ』のJリーグ版がWEBで開店! 第4回は、Jリーグ勢の鬼門だったACL制覇を達成した浦和レッズのミステリアスな強さに迫る。ミシャから堀体制に移行し、何が変わったのか? そして来季以降はどうなるのか?


構成 浅野賀一

■成功する後継者の条件

―― まずミシャことミハイロ・ペトロヴィッチ監督から堀監督に移行して、浦和のサッカーはどう変わりましたか?
 
 ミシャ式をやめ、[4-1-4-1]になっています。堀監督が解任後に指揮を執るのは今回が2度目。前回もペトロヴィッチ監督の後でしたが、こちらゼリコ・ペトロヴィッチでした。前任者の名前が同じなのは偶然ですが、堀監督はどちらも前任のやり方を継承していません。ゼリコの方は形の上では近いですが、踏襲したというより堀監督のスタイルに変えたと言った方がいいと思います。攻撃偏重だったミシャ式とは違い、まずはしっかり守る。守備の組織をきちんとしたことがACL優勝という結果に結びつきました。


―― 広島時代の森保監督は「継承」を選びましたが、堀監督は「変化」を選んだわけですね。

 個性的な前任者の後を継ぐ場合、ほぼそのまま踏襲するか、がらっと変えてしまうかなのですが、踏襲する方が難しいのではないかと思います。なので、広島でミシャ式を踏襲して黄金時代を築いた森保監督は凄いなと。というのも、監督はそれぞれ考え方が違いますし、同じスタイルでも率いる監督のパーソナリティが違えばそれなりの変化が出ます。例えば、僕は人の書いた文章をうまく直せません。直すと骨組みしか残らない可能性大です。その人の癖を生かした上で最小限変えるというのは、けっこう実力がないと難しい。自分流に書き替えてしまう方がよほど楽です。

 森保監督の場合は、コーチとしてミシャのやり方を熟知していたのは大きい。いきなり外から来た人があれを受け継ぐのは無理です。もう1つのポイントは「少しだけ」変えること。森保監督は守備を整備しました。前任者が頑なにやらなかったことですが、そこは普通にちゃんとした方がいいだろうと。風間監督の後を継いだ川崎の鬼木監督も踏襲型ですね。


―― 堀監督もコーチをやっていましたよね。なぜ、変えたのでしょう?

 この方が普通だと思いますよ。ミシャ式を修復できるぐらいならミシャ本人がやっていただろうと。森保監督と鬼木監督は前任者がうまくいっていた後に引き継いでいますが、堀監督の場合は解任された後ですから踏襲しても意味がないわけで、そこは違うところです。短期間で機能させなければならない状況でもあり、ミシャ式以外で選手ができそうなスタイルを選択したと思います。バイエルンでアンチェロッティが解任された後の、ハインケス監督の立て直し方が堀監督にけっこう似ていると思いました。まず守備のオーガナイズをしっかりさせています。


―― ミシャ式自体に限界が出てきたわけですね。

 広島、浦和と10年くらいやっているので、さすがにみんな慣れてきましたよね。未知の戦術ではなくなった。最初は「なんだ、これ?」って感じだったのですが、今はもう研究されて弱点を突かれるようになりました。

 具体的には「平べったく守る」ことですね。ミシャ式は前と後ろに人数をかけるので、相手が5バックや6バックで横に広がって守ると、浦和の攻撃陣も横に広く布陣することになります。そこでボールを奪って前線のプレスラインを突破すれば、もう中盤には柏木しかいないので楽々通過できます。浦和も攻撃時は槙野や森脇がインサイドに入ってカウンターケアを行うなど新たな動きを見せていましたが、まだ付け焼刃というか、しっくりいっていませんでしたね。

 あと根本的な問題として、人を選ぶ戦術でレギュラーの入れ替わりが起きにくい。阿部はボランチとCB、2シャドーはインサイドMFと守備時にはサイドハーフなど、2つのポジションを高いレベルでこなせる人材が求められます。当然そんな選手は多くないのでメンバーが変わらなくて、チームの新陳代謝が起きない。もちろん、コンビネーションが向上するなどプラスの面もあったのですが、マイナス面がそれを上回り始めたというのがミシャが解任された時の浦和の状況ではないでしょうか。

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最終更新:2017/12/25(月) 19:32
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