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SDGs採択から2年、企業の取り組みは停滞か

2017/12/28(木) 7:07配信

オルタナ

コーポレートシチズンシップ社は、SDGs(持続可能な開発目標)をブランド戦略に組み込む事例が数多く見られる一方で、SDGsに関する企業活動の進展に対して憂慮すべき傾向があることを報告した。採択から2年が経ち、SDGsへの取り組みを報告する企業の数は増加しているが、この1年ほど具体案とSDGsへの積極的な関与が停滞しており、意識と行動の隔たりが浮かび上がってきている。(翻訳:梅原 洋陽/Sustainable Brands Japan)

「SDGsについて意識はしているが具体案は何もない」と答えた企業の数が、2016年は13%だったのに対し、2017年は20%に増えている。これは、2015年の目標が設定される前の数字(25%)にかなり近い。さらに、「SGDsへの協調に積極的にかかわっている」と答えた企業の比率も、2016年の40%から2017年には33%に下落している。

コーポレートシチズンシップ社の報告書では、新たな目標の見直しや設定、そして将来に向けてSDGsを基にした戦略開発の告知に取り組む企業の数が減少し続けていることを明らかにしている。同社は独自に開発した「TAMEフレームワーク」―Think(考え)、Act(行動し)、Measure(査定し)、Engage(関与する)―を用いて企業を評価した。

2017年は42 カ国で調査を実施したが、そこではFTSE100、Fortune 50、そしてシンガポール取引所にリストアップされた英国、米国、シンガポールの世界最大規模の企業に焦点が当てられた。

「SDGsの目標設定から2年が経った今、企業努力の進展に陰りが見えてきています」と語るのは、コーポレートシチズンシップ社のシニアコンサルタントであり、報告書の作成者であるナナ・グアー氏だ。

「SDGsと整合した肯定的な公示や報告を数多く見てきました。しかし、真の挑戦は行動が伴わなければ始まりません。ビジネスにおける重要な成功要因は、意思を行動に転換することにあるのですから」

2017年の最優先目標は「教育の平等」
この調査ではまた、現在の政治状況に合わせてジェンダーの平等(目標5)と持続可能な都市及びコミュニティ(目標11)を重視した結果、目標の優先順位の入れ替えがあったことを指摘している。

2017年の最優先目標は、教育の平等(目標4)で、2016年の4位から順位を上げた。一方で気候変動への対策(目標13)は、前年は上位3位に入ったが、2017年は入らなかった。コーポレートシチズンシップ社によると、2016年にパリ協定に注目が集まったことを反映しているという。

企業のSDGsへの取り組みは地域によってばらつきが見られる。詳しい地域分析の結果、FTSE100の3分の2以上を占める英国企業はコーポレートコミュニケーションを通してSDGsを何らかの形で組み入れることで、SDGsを主導している。比べて米国企業では、主要大企業の38%、シンガポールでは20%となっている。

国連グローバルコンパクトの研究を含むその他の最近の調査結果で、3分の1以上の調査企業が未だに測定可能な目標を設定しておらず、たったの55%の企業しか進捗を監視していないことを明らかにしたが、コーポレートシチズンシップ社の調査もこうした現状を如実に反映しているといえるだろう。

企業が乗り気でない原因は、どこから始めるべきか分からず、また中間管理層の関与が欠けていることにあるようだ。

サステナブル・ブランド ジャパン(SB-J)より転載
サステナブル・ブランド ジャパン(SB-J)は、「サステナビリティ(持続可能性)」をテーマにしたビジネスニュースを配信しています。持続可能な取り組みを推進する企業・団体の活動を幅広くサポートすることを目的に、その成果を共有し、次なる一歩を踏み出す機会の創出を目指しています。2018年3月1-2日には、東京でサステナブル・ブランド国際会議を開催します。

最終更新:1/4(木) 21:37
オルタナ

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