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障害者芸人ホーキング青山「相模原19人殺害事件」を語る

2017/12/28(木) 6:30配信

デイリー新潮

事件の衝撃を大きくしたものは

 昨年起きた「やまゆり園事件」については、1年以上経った今でも折に触れて話題となり、また議論の対象となっている。たとえば月刊誌「創」では、定期的に植松聖被告の手記を掲載。植松の意外な画才を紹介しつつ、事件の背景を探る試みを続けている。

 事件や事故が起きたあとに原因や背景を探り、その防止策を考えるのは言うまでもなく重要なことである。19人もの死者を出した「やまゆり園事件」ほどの事件ともなれば、様々な議論の対象となるのは当然だろう。

 もっとも、一人の障害者として見た場合、この事件に関する議論にずっと違和感を覚えていた、と語るのはホーキング青山さん(44)。生まれたときから手足が不自由なホーキングさんは、車イスの「障害者芸人」として20年以上活動している。

 そのホーキングさんは、最近上梓した著書『考える障害者』で、「『やまゆり園事件』を考える」として、1章丸ごと事件についての考えを述べている。ホーキングさんは、訪問介護事業所のオーナーでもあることから、そちらの立場からもこの事件について思うところがあるという。

 ホーキングさんは、この事件の衝撃を大きくしたのは人数や犯行声明の特異さに加えて、被告が介護職員だったという面があるだろう、と述べている。

「『障害者=聖人君子』とよく似ているが、『介護者(介護職員)=善意の人』あるいは『介護や福祉の世界で働く人=人格者』というイメージが世間にはある。看護師さんあたりに対しても似たようなイメージがあるだろう。『白衣の天使』というやつだ。

 でもここが難しいところだ。実際に介護関係で働く人は一般の人よりも皆障害者に理解はあるだろう。しかしだからといって皆が皆、世間で思い描かれているような天使のように優しく、またマザー・テレサのように無私で自己犠牲も厭わない、そんな人たちばかりでは決してない」(『考える障害者』より)

 

 実際に仕事として介護にかかわってみると、必ずしも高い理想を掲げて働いている人よりも、「仕事」の一種として割り切っている人のほうが長続きするという面もあるのだという。ともあれ、こうしたイメージと殺人者とのギャップの大きさが衝撃を大きくした、というのがホーキングさんの見方である。

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最終更新:2017/12/28(木) 9:59
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