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青森県はなぜ早死にするのか 平均寿命最短でV9、衝撃的すぎる食生活

2017/12/30(土) 8:01配信

デイリー新潮

平均寿命最短で堂々のV9! 「青森県」はなぜ早死にするのか(上)

 どんな数字であれ、生半可なことではトップを独走できない。青森県にもそれは当てはまる。健康意識が高まるなか、よほど不健康や不摂生を貫かなければ、平均寿命の全国最下位を独走することなどできっこない。そして彼らの不摂生は、偉大な反面教師である。

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 少し古い発想だが、連想ゲームにお付き合い願いたい。さて、ヒントは「青森県」。「りんご」と答えた方が多いのではないだろうか。問答ひっくり返して「りんご」をヒントにしても、きっと「青森県」と回答する人は多いことだろう。

 事実、2016年度のりんご生産量は、都道府県別で青森県が1位だが、並みのトップではない。全国の総生産量の6割近くを青森県が占めるのである。

 で、ふたたび連想ゲームだが、「りんご」という問いに「健康」と返す人もいるだろう。英語の諺でも「1日1個のりんごで医者いらず」というが、実際、りんごは食物繊維やカリウムなど、健康の維持に欠かせない成分を多くふくむ。

 ところが、である。厚生労働省は今月13日、15年の都道府県別「生命表」を発表したが、それによると青森県の平均寿命は記録的だった。1位は男性が滋賀県の81・78歳、女性が長野県の87・67歳だったのに対し、青森県は78・67歳と85・93歳。ともに全国で最下位であるばかりか、男性は9回、女性は4回連続で、最下位街道を驀進中なのだ。

 しかも、調査が行われるのは5年に1度。青森県の男性は40年以上、女性も20年にわたり、底に沈みっ放しということだ。

病気のデパート

 先般、本誌(「週刊新潮」)は島根県の漁師の健康長寿を取り上げたが、海がない滋賀や長野の県民が長寿で、海に囲まれた“りんご県”が短命とは、いったいどういうことか。

 青森県がん・生活習慣病対策課の嶋谷嘉英氏は、

「県として長年、対策に取り組んでいますが、効果がなかなか出てきません」

 と嘆息し、分析する。

「塩分は多く摂って野菜は食べない食生活、喫煙率の高さ、多量飲酒者が多いこと、運動不足などが挙げられ、これらが複合的に原因になっていると見ています。塩分については、昭和40年代から問題視されていますが、味覚は一朝一夕には変わりませんからね」

 ここで別の統計にも目を向けたい。今年6月に青森県が発表した「人口動態統計」には、主な死因ごとの死亡総数に占める割合と、その全国順位が載っているが、男女合わせた“成績”を確認すると、糖尿病が全国1位、がんが2位、腎不全が3位、肝疾患が4位、肺炎が5位、脳血管疾患が9位……と、軒並み上位に並ぶ。要は、青森県は病気のデパートだったのだ。

 弘前大学医学部附属病院の松坂方士医師が、ことにがんについて言うには、

「がん検診の受診率は全国平均並みですが、受けるのが遅く、見つかったときには重度になっていたり、再検査になっても来ない人が多かったりします。特に冬は病院に通いにくい事情もあるでしょうが、病院に行きたがらない人も多い」

 弘前大学大学院医学研究科長の中路重之氏も言う。

「厚労省の10年の調査で、全国1898市区町村の寿命ランキングでワースト100のうち、38が青森県の市町村でした。青森に市町村は40しかなく、残り2つも110位と116位。青森県民が短命な理由は、全世代で死亡率が高いこと、がん、脳血管疾患、心臓病という3つの主要な死因のすべてで死亡率が高いことです。健康への意識、すなわち健康リテラシーが醸成されていないことが大きな原因と考えられます」

 健康長寿を願うわれわれに、青森県は激烈な反面教師のようだ。そこに住まう方々の“常識”を確かめるために、現地に赴いた。

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最終更新:2017/12/31(日) 15:21
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