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中国の新しい経済地図 動き出した「デジタル一帯一路」

1/1(月) 7:00配信

文春オンライン

日本の「一帯一路」への距離感は?

 当初、日本政府は無関心あるいは警戒心から「一帯一路」と距離を取ってきた。しかし「一帯一路国際協力サミットフォーラム」以降、トーンに変化が見られる。11月には安倍首相が条件付きで「一帯一路」への協力に言及し、「第三国での日中民間経済協力について」と題した指針が関係省庁によって策定された。重点分野は省エネ・環境、工業団地や電力インフラの産業高度化、そして物流だ。こうした態度の変化の背景には財界の要望があったと考えられるが、北朝鮮問題の深刻化を指摘する識者もいる。

 日本政府は「一帯一路」への選択的関与と同時に、これまで通りアメリカを含む周辺国との協調関係の強化も目指している。日本政府は米国が抜けた以降も、TPPの枠組みを重視し、TPP11としての大筋合意に至った。また「自由で開かれたインド太平洋戦略」(Free and Open Indo-Pacific Strategy)を通じて、日本、アメリカ、オーストラリア、インドを起点とする多国間枠組みの構築を模索し始めている。この二つの動きをシンプルに「関与とヘッジの両面的対応」と理解すべきか筆者には判断がつかないが、政府の対応がより多面化していることは事実だろう。

ドローン、ゲノム解析……ニューエコノミーが書き換える中国地図

 中国国内に目を向けると、ニューエコノミー、とくにエレクトロニクスとIT業界の発展に伴って、中国国内の経済地図も徐々に更新されている。

 これまで中国の主要都市といえば、北京、上海、広州がその筆頭に上がってきた。しかし新興ベンチャー企業やデジタル経済の視点から見ると、北京に加えて、香港と隣接する深圳、上海と隣接する杭州への注目が集まっている。

 筆者が現在滞在している深圳市を例に取ろう。深圳市は1970年代末に始まった改革開放政策の先頭に立ち、かつては下請け工場が多く、単純な労働集約的な産業が集まっているに過ぎないと評価されてきた。しかし近年では、通信機器大手の華為技術(HUAWEI)、中興通訊(ZTE)に加えて新たな成長のけん引役としての有力企業が数多く生まれている。SNS大手で世界第4位の企業価値を誇る騰訊(Tencennt)、民間用ドローン市場で世界市場を席巻する大疆創新(DJI)、ゲノム解析企業として世界最大の規模を誇る華大基因(BGI)といった新興産業の雄がこの街で育った。この背景には圧倒的に若い人口構造を背景として企業家を夢見る若者がこの街に流入していること、そして起業と成長を支えるエコシステムが現地に形作られつつあることを指摘できる。

 エレクトロニクス業界の動向を見る上では深圳がより重要になり、また中国のデジタル経済を動かす人々は北京や上海だけでなく杭州にも集積しつつある。「デジタル時代の中国経済地図」の上には新たな拠点が生まれつつある。

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