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【月刊『WiLL』(2月号)より】地球賢聞録 SPECIAL 北朝鮮──背後の仕掛け人

1/10(水) 9:01配信 有料

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国益を基軸とした外交

 外交は、国益に軸足を置いて展開されるべきです。日本にとってプラスになれば、戦略的パートナーとしてプーチンを選ぶこともあるし、極論を言えば習近平に近づくこともある。「この国と仲良くしよう」「この国は信頼できる」という視点が先にあってはいけません。
 ところが、外務省はこの「基本中の基本」を軽視してきました。憲法前文の精神でもある東京裁判史観に基づく、相手国の顔色を気にする外交を続けてきた。
 安倍首相は、東京裁判史観に囚われない初めての総理大臣です。安倍首相が国益を基軸としたまっとうな外交を始めてから、アメリカとの関係を最重要視しつつ隣国ともめ事を起こさないとする外務省が十分ついていけなくなった。
 その典型がロシア外交です。オバマ大統領の時代、北方領土問題に進展は見られませんでした。その理由は、外務省が、日露関係の改善を好ましく思わないアメリカの意向を忖度していたからです。
 対中、対韓外交も問題を起こさないことが最優先されました。その背景には、中国や韓国との間に何か問題を起こすと、自民党の大物親中派、親韓派議員が介入してくる。国内外への遠慮により、国益に基づく外交が妨げられていたということです。
 典型的な例があります。1998年、橋本龍太郎政権下で、当時の北米局長が、前年に策定された「日米防衛協力のための指針」が規定する「周辺事態」について、「極東および極東の周辺を概念的に超えることはない」と国会答弁で述べた。
 この発言自体は、「周辺事態」は地理的概念ではないとする政府方針に反するものではなかったのですが、日本の「周辺」に含まれると難癖をつけてきた中国の反発を抑えるため、橋本総理の意向で北米局長は更迭されました。このように外圧で更迭されるようなことが常態化すると、外務省も隣国が気にすることは何も言えなくなる危険性があります。 本文:6,556文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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馬渕睦夫(元駐ウクライナ大使)

最終更新:1/10(水) 9:01
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