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圧倒的犠打数で打線のアクセントになるパの捕手/記録の裏側01

1/12(金) 11:02配信

週刊ベースボールONLINE

送る立場でチャンスをつなぐ

 今回から数回に分け、2017年の記録の裏側に迫る。第1回は犠打数だ。

 みなさんの中には、イケイケの攻撃のパと犠打を多用し、堅実な攻撃を見せるセという色分けがあるのかもしれないが、実は17年のパの犠打は704でセの624を大きく上回る。しかも、これでも縮まったほうで、16年はパの802に対し、セの565となっていた。

 セの増は全体的な上乗せの結果と言えるが、パの16年と17年の差は比較的犠打が多かった16年Vの日本ハム、3位のロッテが、下位に低迷したことで緻密な攻撃が不要(?)となったからでもある。特に日本ハムは178から103と激減した。

 DH制があるパの犠打の特徴は捕手が多いことだ。上位では楽天・嶋基宏が27(リーグ順位3位)、西武・炭谷銀仁朗とオリックス・若月健矢が23(7位)、ソフトバンク・甲斐拓也、オリックス・伊藤光が22(9位)、ロッテ・田村龍弘が17(12位)となっている。

 セでも捕手は犠打が少ないわけではないが、阪神・梅野隆太郎の29(2位)、巨人・小林誠司の19(4位)以外では、ヤクルト・中村悠平と広島・會澤翼の11(7位)、中日・松井雅人の10(9位)くらいで総じて数が少ない。これは八番が多い捕手の次に投手が入ると、犠打自体の意味があまりない、ということもある。ある意味、セの八、九番は“休憩”で、一番からリスタートということであり、打率.275の會澤がいて、そこが“休憩”にならなかった広島が強かった理由ともなっている。

 一方のパでは、八番の捕手が徹底して“送る立場”になってチャンスをつなぐ分、西武の一番・秋山翔吾、あるいは楽天の茂木栄五郎、ペゲーロのような一、二番が機能するとも言える。もちろん、必然的にバントが多いパの捕手は打率的には苦戦することになり、その中で打率.251の炭谷は光る。さらにもう1人、嶋も打率は.199に過ぎないが、57四球もあって出塁率.339、得点圏打率.256と、悪いなりに踏ん張っているのが分かる。

 また、これだけパの犠打が多い理由は2つ考えられる。1つは、パでは、いわゆる休憩打順がない分、「ここは3人で終わってもやむなし」とはなかなかならないということだ。2つめはやや矛盾するかもしれないが、セは終盤の勝負どころでは代打攻勢となり、バントが少なくなるという面もあるだろう。
 
写真=BBM

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